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『スティーブ・ジョブズ』 [movie]

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原題:Steve Jobs
監督:ダニー・ボイル
出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズ
製作年: 2015年
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
上映時間:122分

ファーストデーということで行ってまいりましたTOHOシネマズ新宿。歌舞伎町は相変わらず剣呑な雰囲気で緊張感が強いられる。通りにたたずんでいる男一人を見るとヤ○の売人のように思えてしまう。まあ偏見だけどさ。
解説
1984年のMacintosh、88年のNeXT Cube、98年のiMacというジョブズの人生の中で最も波乱に満ちていた時期に行なわれた3つの新作発表会にスポットを当て、人々を魅了した伝説のプレゼンテーションの舞台裏を通し、信念を貫き通そうとする姿や、卓越したビジネスセンスを浮かび上がらせていく。さらに娘リサとの確執と和解といったエピソードも盛り込み、ジョブズの素顔を浮き彫りにする。
単にファーストデーだからということで無理やり観に行った感がある本作だが、意外や愉しめたのだった。120分をダレることなく会話劇だけでまとめた手腕はなかなかのものと思う。

84年、88年、そして97年のiMacの発表会など、それぞれのプレゼンテーションの開演前40分に焦点をあて、関係者や娘との相克を描く、といった体。舞台は、文字通りその会場の舞台裏となっている。それにしても登場人物たちがよくしゃべること(笑) セリフ暗記の大変さが偲ばれる。

主演のマイケル・ファスベンダーはこれが初見と思ったら、以前危険なメソッド』で観ていたようである。あまり記憶にないが。ジョアンナ・ホフマンを演ずるケイト・ウィンスレットも迫力の熱演。セス・ローゲンノ化けっぷりもさすがである。ダニー・ボイル監督作品って観たことあるかな、と過去のエントリを探ったら『スラムドッグ$ミリオネア』で監督だったのね。

当方はジョブズ氏の生涯をそれなりに知っているのでその全体像の一部として愉しんだのだが、そういった知識がまったくない人が観たらどう思うのか訊いてみたい。そんなことを思わせる作品。


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2016年02月の読書メーター [a day in the life]

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魚川祐司 :『仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か』(新潮社) [book]


仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か

仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か

  • 作者: 魚川 祐司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/24
  • メディア: 単行本
本書はとある人物が推薦していたので手に取る。地蔵というハンドルネームだからでも、坊主頭にしているからでもない。念のため。

内容紹介
日本仏教はなぜ「悟れない」のか――? ブッダの直弟子たちは次々と「悟り」に到達したのに、どうして現代日本の仏教徒は真剣に修行しても「悟れない」のか。そもそも、ブッダの言う「解脱・涅槃」とは何か。なぜブッダは「悟った」後もこの世で生き続けたのか。仏教の始点にして最大の難問である「悟り」の謎を解明し、日本人の仏教観を書き換える決定的論考。
内容は至ってシンプルで、タイトルにあるように「悟りとは何か」を論証する書籍である。そして、これが滅法おもしろいのだ。そのおもしろさが奈辺にあるのか、自分なりに記述してみることにしよう。

まず第一に、立てられた問いが、”仏教の本質である「解脱・涅槃」とは何であるのか”とシンプルであること。そしてそのシンプルな問いに、論理的に筋道を立てて、平明な文章で説明をされているところがいい。よくできた謎解きミステリを読むようなスリリングさがあるのだ。

次に、仏教に関するトリヴィアルな情報が得られるところ。一例として、仏教用語における「苦」は英訳では"unsatisfactioness"いう単語が使われており、我々が一般的に感じる「苦しみ」とは少し異なることだということ。具体的には「終わりのない不満足」であり、それはまた「輪廻転生」という考え方に密接なかかわりがあること。なるほど、と蒙を啓かれる思いがする。

最後に、「余談」として最終章で語られる仏教の歴史が興味深い。ゴータマ・シッダルタが開教した仏教が、様々な人たちに解釈され2500年を経て、何故なおも我々の世界に影響を与え続けているのかが記述されている。なんだか、オープンソースのOSであるLinuxが、様々な派生ディストリビューションを産み出しながら人々に利用されているさまと相似している(そうなのか?w)。

と、いろいろ書き散らかしたが、本書の魅力を伝えきれていないもどかしさがある。あまりの素晴らしさに図書館で借りて読んだにもかかわらず電子書籍で買いなおしてしまったくらいだ。知的興奮を味わえる良書としておすすめしたい。


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『エイリネイト -侵略地区-』 [movie]

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原題: Alienate
監督:マイケル・シャムウェイ
出演:ブレイク・ウェッブ、テイタム・ラングトン
製作年: 2016年
製作国:アメリカ
配給:ファインフィルムズ
上映時間:86分

本作は「未体験ゾーンの映画たち 2016」と銘打たれた、未公開作品ばかりを集めた劇場発の映画祭で上映されたもの。最近はB級の洋画ってあまり劇場にかからずDVDスルーになっちゃうので良い試みだと思う。そんなわけで久々にヒューマントラストシネマ渋谷に出かけたのだった。そういや、前に来たときはシネカノンと言ってたくらいだから、もう10年以上ぶりなのか。

最近の大手のシネコンは確実に稼げるものしかかからないように感じている。客数減でリスクは取れないということだろう。CMやら予告編やらに20分以上かけて観客を拘束し、果てには映画泥棒呼ばわりするんだから、そりゃお客さんは離れていくよね。
解説
妻との冷め切った関係に悩む男デイビッドは、妻と距離を置くため出張に出る。しかし出張先で突如として飛行機が墜落しはじめ、電波塔まで倒壊してしまう。それは、地球に襲来した何者かの仕業だった。デイビッドは一刻も早く自宅へ帰るべく奔走するが…。
さて鑑賞後の率直な感想は、当方の期待とは異なる映画でありました。破綻しかけた夫婦が緊急事態でお互いの大切さを再認識していく、という大枠なんだろうが、そのきっかけがエイリアンの侵略であるという必然性がないところがつらい。

あと、時間軸を前後にシャッフルする構成はありがちなものなんだけど、その手法の必然性もあまり感じられない。かえってストーリーのテンポを阻害している。サイドストーリーにもほっぽらかしの部分があり、概して完成度は低い。

原題の"Alienate"は「〈人・愛情などを〉遠ざける,不和にする」という動詞なので、エイリアンの侵略というストーリーは特に重要視されているわけではないのかもしれない。それにしても米国映画のエイリアンってあの典型的な造作になるのかね。あの見た目が彼らにとってのアイコンなのかもしれない。なんとも消化が難しい映画でありました。


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『ヘイトフル・エイト』 [movie]

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原題: The Hateful Eight
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、チャニング・テイタム
製作年: 2015年
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
上映時間:168分

上記を見ていただきたい。168分ですよorz 今回は豊洲のユナイテッドシネマに行ったんだが、10時から始まって終わりは13時ですよ。そんなに長く座っていることができるんだろうか…。
内容
大雪のため閉ざされたロッジで繰り広げられる密室ミステリーを描いた西部劇。タランティーノ作品常連のサミュエル・L・ジャクソンを筆頭に、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーンが出演。全員が嘘をついているワケありの男女8人が雪嵐のため山小屋に閉じ込められ、そこで起こる殺人事件をきっかけに、意外な真相が明らかになっていく。
まず言っておかなければならないのは、この監督だからおわかりになるかとは思うが、「雪の山荘」系ミステリを期待するとそんなことはありません。念のため。とはいえ、こういう舞台劇を想起させるシチュエーションであれば登場人物同士の騙し合いがスリリングなプロット重視の作品か、と思いきやそうでもないので困ったものである。

当方の率直な感想を申し上げるならば、胸糞映画ではある。なるほど、その残虐シーンやフルヌードシーン(しかも男)があることから18禁指定になったことがわかる。決して快を感じさせる映画ではない。中途まではミステリを感じさせる流れから、プロットは突然に破綻するのだ。

ただね、168分でダレることのない映像づくりの手腕はやはりタランティーノならではか。登場人物の長広舌も相変わらず愉しめる。タランティーノが好きな人以外は、なかなかおすすめできない映画であると思った。
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