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『ザ・バンク 堕ちた巨像』 [dvd]

ザ・バンク 堕ちた巨像 コレクターズ・エディション [DVD]

ザ・バンク 堕ちた巨像 コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD

●上映時間:117分・PG-12
●配給:2009米/ソニー
●スタッフ&キャスト:
[監督][音楽]トム・ティクヴァ
[脚本]エリック・ウォーレン・シンガー
[出演]クライヴ・オーウェン,ナオミ・ワッツ,アーミン・ミューラー=スタール,ブライアン・F・オバーン


ストーリー
インターポールの捜査官サリンジャーは、NY検事局のエラとともに巨大銀行IBBCの違法行為を探っていた。しかし何者かによって仲間や証人を次々と殺害された彼は、自らの命までも脅かされていく。


本作を鑑賞して、フィクションにおけるリアリティとは何かということを柄にもなく考えてしまった。不正をはたらく巨大銀行を主人公が追求するという物語だが、その巨大銀行がいささか乱暴すぎるのである。

武器の仲介業というのは、まあこの時代だからやっていてもおかしくはないのかもしれないが、 それを知った人間を容赦なく消していくというのはいくらなんでもリアリティなさ過ぎ。

まして取引相手が取引を中止しようって段で暗殺してしまうのは、それって無理矢理だと思うぞ。たしかにビジネスの世界ってなんでもありな側面はあるけど、所詮はビジネスマンであって人殺しを指示するほどの肝っ玉の据わったやつっていないと思う。

細かいところで言えば、悪玉の親玉である銀行の頭取が、自宅で息子と遊びながらテレビ会議で殺しの指示をするっていうのも、なんか脇が甘いというかありえなさ度が急上昇してしまう。

テーマ的には、組織の悪はその中枢の悪を取り除いてもまた発生するという組織のメカニズムを描こうとしたのではないかと推測してるんだが、その悪が一個人に集約されるというのは幻想であると思う。昔みたいに世界征服を企む悪の組織じゃないんだから。

細かい伏線を回収しないことなども含め、明らかに脚本が破綻している。見せ場の美術館での銃撃戦など良いところはあるんだが、それが国際銀行と国際刑事機構が撃ち合ってるなんてリアリティのかけらもないと思う。

監督のトム・ティクバは『 パフューム 』がすばらしかったが、今回は地雷脚本を踏んでしまったようだ。とはいえ、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツが好きな当方としてはそこそこ面白く鑑賞してしまった。両者が好きな人には強力にお奨めするが、それ以外は少し躊躇ってしまう作品だ。


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