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古田隆彦:『日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト』(幻冬舎) [book]

日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト (幻冬舎新書)

日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト (幻冬舎新書)

  • 作者: 古田 隆彦
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 新書

当方が中学生くらいの時は、人口問題は「増えすぎたらどうなるか」というのが論議の中心だったように思う。食料やエネルギーは人口が増えて足りなくなる、というような。

それが日本なのか世界の人口についてだったかあやふやなんだが。でも、少なくとも日本の人口がこれから減少する、という予測や、警鐘を鳴らす人はいなかったように思う。ことほど左様に未来予測は難しいしあてにならない。


 内容(「BOOK」データベースより)
2004年12月の一億二七八〇万人をもって日本の人口はピークを迎えた。翌05年から現象が始まり、今後も減り続ける。2042年には一億人を割り、百年後には三分の一になるとも予測されている。その結果を受けて、政府やマスコミはGDPや所得の低下、消費市場の縮小、年金の破綻などの悲観論を喧伝するが、これらは真実なのか?人口減少が下げ止まり反転増加することはないのか?日本の人口変化を「人口容量」という仮説から大胆に予測した文明論。


人口の変化については、生物学・社会学・歴史学・統計その他諸々の学問的アプローチができるのだろう。本書の「人口容量」という仮説は、生物学的な見地から立てられたものを人間に対して当てはめたものと読んだ。人間に当てはめた場合、それが社会学的アプローチに変化するのは少しばかり違和感あり。

そもそも生物学における個体抑制行動の事例自体が、いささか古めのデータや研究に因っているので、最新の研究ではどうなっているのか、実はもう少し違う事例もあるのではないか、と思えてしまう。

冒頭における人口問題に関する10の誤解を解きほぐす論理はみるべきものがあるが、終章でのヴィジョンはいささか抽象的すぎる嫌いがある。著者は必死に打ち消そうとはするものの、「波動」という言葉にはある種の胡散臭さがつきまとってしまうのだから、戦術的には多用は避けた方がいいのではとも感じた。

冒頭に申し述べたように、未来予測なんて当たるはずがない、というスタンスで読めばそこかしこに頷かされる意見はあるので興味のある向きは読んでもいいかもしれない。


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