清野由美:『セーラが町にやってきた』(プレジデント社) [book]
あはは。やっちまったよ。文庫が出てるっていうのにさ、わざわざ単行本を買っちまった。このあたりがネット通販での衝動買いにおけるリスクのひとつだよね。悔しいので差額は計算していない...
内容(「BOOK」データベースより)
春一番、セーラが町にやってきて、創業二百五十年の「造り酒屋」を再建、老舗の和菓子屋から、「小布施町ルネッサンス!」町に会社に、行く先々で大旋風!アメリカ生まれの日本好き、「台風娘」の大活劇。
2002年の初出なのでいささか経済環境が違うのということはあるが、いわゆる再建という行為に共通していえるのは良い意味での強引さではないか。本書におけるセーラ・マリ・カミングスという女性がいろいろな事業を推進するにあたって武器としたのは、天真爛漫な強引さと思える。
普通の会社員だったら、金髪碧眼の女性からいきなり業務改革を指導されるなんて、やっぱりそれほどいい気持ちがしないと思うし、実際に本書でも関係者の口からそういった言葉が漏らされている。
本書のいいところは、そういった軋轢も含めて綺麗事を描こうとしなかったこと。改革には軋轢があり、その軋轢を人はどのように思ったのか、そんな機微まで描かれているところが単なる「プロジェクトX」にしていないところだと思う。
そんなわけで、これをお読みのみなさんには文庫版で読んでいただくことを奨めておこう。最後になったが、本書を読んだのは『 人生2割がちょうどいい 』のコーディネーター役を著者がやられていたため。
コメント 0