映画“金曜封切り”が目立ってきた事情について考えてみた [a day in the life]
あのヒット作も、映画“金曜封切り”が目立ってきた事情
http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20090120-570-OYT1T01094
この記事を読んで当方はどうとはいえぬ違和感を感じた。なぜだろうか。今日はそのことを考えてみたい。
記事によると、「金曜夜は映画、という生活リズムを確立したい」(TOHOシネマズ番組編成部)とのことで、それはそれで同意できるものだ。記事にもある『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』は、当方も金曜の晩に鑑賞したし。
ただ、<積極的に金曜初日に取り組む東宝東和は「ここ数年、洋画を取り巻く状況は厳しい。何らかのアクションをとりたい気持ちもある」とする>という考え方は、本当にそうなんだろうか、という違和感がある。
下のグラフは2000年から2007年にかけてのスクリーン数(そのうちのシネコンのスクリーン数)と入場者数の推移を表したものだ(出典は社団法人日本映画製作者連盟のサイトより)。
【グラフ1】客観的にいえそうなことを順不同で箇条書きしてみよう
- スクリーン数は毎年増加していて、2007年は2000年と比べると27.6%増加している。
- そのうち、シネコンのスクリーン数は2000年から倍以上(118.5%)増加している。
- 入場者数は2000年の135百万人から翌年2001年の163百万人に急激に増加。
- その後、2004年の170百万人をピークに翌年2005年は160百万人に大きく減少。
- 以降、2006年の165百万人、2007年の163百万人となっている。
なるほど。最近は大きな劇場での満員が少なくなったと感じるのは、このようにスクリーン数が増加しているからか、と思う。
次の図2は興行収入と平均料金の推移についてグラフ化したもの。
【グラフ2】ここでいえるのは
- 平均料金は2000年に1,262円あったものが翌2001年は1,226円に下落。2003年に1,252円に持ち直すものの2007年は1,216円と過去7年では最低となった。
- 興行収入は1900億円台と2000億円台を行ったり来たり。
そして、グラフの1と2を総合するとグラフ3のようになる。
【グラフ3】- 1スクリーンあたりの入場者数は2001年の63千人をピークに、2007年の51千人にまで落ち込んでいる。
- 1スクリーンあたりの興行収入は2001年の77百万円をピークに2007年の62百万円にまで落ち込んでいる。
つまり、ここ数年間で1スクリーンあたりの効率は低下してきているということだ。
長々と書いてしまったので続きます...
コメント 0