SSブログ

平川克美:『株式会社という病』(NTT出版) [book]

株式会社という病 (NTT出版ライブラリーレゾナント)

株式会社という病

  • 作者: 平川 克美
  • 出版社/メーカー: NTT出版
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本

我が国の領袖が失言を繰り返すということで周りは喧しい。当方とすればぶっちゃけ話したっていいんじゃないの、というスタンスだが。とはいえ政治は言葉だからそういう失言を繰り返していくと、いずれは自分にブーメランのように還ってくるというのは自明の理だ。それでもクーデターとか起こらないのは我が国の仕組みが安定しているということの証左なんだろう。そんな領袖を頂いていても我が国が特に不穏にならずに動いていくことの凄みのほうが興味がある。

システムというのはまさにそういうことであって、永久機関とは言わないまでもはずみさえつければとりあえずは動いていくということの不思議さがある。会社だって、別に社長が一週間程度いなくたって業務は滞らないし(決裁は滞るかもしれないけど)、ましてや当方がいなくなったって無事に動いていくのであって、それが会社、というか組織という仕組みの強みだと思う。


[BOOKデータベースより]
不祥事の続く株式会社、事件は起こるべくして起こったのである。欲望と幻想の社会、その呪縛に立ち向かう。

第1章 経済的人間―大きくなり過ぎた経済のちから;
第2章 信憑論―彼らが会社を愛した理由;
第3章 幻想論―欲望がつくりあげた幻想;
第4章 因果論―結果は原因の中にすでに胚胎し、原因は結果が作り出す;
第5章 技術論―『ウェブ進化論』では語りえないこと;
第6章 倫理論―『国家の品格』と日本人のなし崩し的な宗旨替え


リスクテイカー』を読了した翌日に本書を手に取ったのは偶然だがシンクロニシティに驚いた。第5章では貨幣に対する考察を展開しているのだが、ヘッジファンドへの言及があったから。もともと本作を読もうと思ったのも『 モダンタイムス 』の参考文献に挙げられていたから。

内容については、いわゆるビジネス書というカテゴリではなく株式会社を様々な角度で論じた評論といったところか。引用は差し控えるが時折ハッとさせられる指摘がある。実は静岡に日帰り出張していたときの往復の新幹線の中で読み切った。タイトルから感じるような小難しい評論ではなく、リーダビリティは高いのでお奨めできると思う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。