『Genius Party BEYOND ジーニアス・パーティ・ビヨンド』 [movie]
●上映時間:85分
●配給:2008Beyond C.
●スタッフ&キャスト:
[監督]前田真宏,中澤一登,大平晋也,田中達之,森本晃司
[音楽]伊福部昭,野崎美波ほか
[声優]高乃麗,古田新太,鈴木晶子,佐野史郎,菅野よう子,江戸家小猫,高田聖子
川崎のシネマコンプレックス事情については再三にわたり申し述べている。三館(チネチッタ・TOHOシネマズ・109シネマズ)とも独自色を打ち出そうと必死にみえる。いずれも単館系の作品をまめに掛けてくれるところがうれしい。
その中でもTOHOシネマズはマニアックなのか地味なのかわからないアニメーションが掛かる場合がある。『 ストレンヂア -無皇刃譚- 』や本作の前作である『Genius Party ジーニアス・パーティ』もこのTOHOシネマズ・川崎で鑑賞していたのであった。
【概要】
アニメスタジオのSTUDIO4℃が、気鋭のクリエイター5人を集結。彼らに“制約なし”という条件で短編を撮らせた、オムニバス・アニメのシリーズ第2弾。
内容は以下の5編。
タイトル 監督 声優#1 GALA 前田 真宏 高乃 麗 , 江戸屋子猫
#2 MOONDRIVE 中澤 一登 古田 新太 , 高田 聖子
#3 わんわ 大平 晋也 鈴木 晶子 , 一条 和夫
#4 陶人キット 田中 達之 佐野 史郎 , 水原 薫
#5 次元爆弾 森本 晃司 菅野よう子 , 小林 顕作
当方は#2の「MOONDRIVE」が好み。月面都市の盗賊グループの破天荒な冒険を描いたもの。次点は「陶人キット」。長編アニメの一部を切り取ったような骨太な物語と思った。
アニメはよくわからないんで、どうこう言えないんだが、「ブレードランナー以前/以降」、「大友克洋以前/以降」みたいな感覚がある。「陶人キット」や「次元爆弾」の近未来風景は『 ブレードランナー 』なしには考えられない。『 AKIRA 』の影響だって仄見えるように思う。
だからオリジナリティがなくてダメと言っているのではなく、芸術ってそんなふうにして進化していくんだなと思ったわけです。実際、本作の一連の作品のイマジネーションやドライブ感は、今の日本の映画で感じることは少ない。優れたクリエーターがこの方面に集まってきているのかもしれない。
アニメーションにそれほど興味がない人も楽しめる作品集だと思う。無理にはお奨めしないが、当方は鑑賞してよかったと断言しておこう。
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