川崎洋:『川崎洋詩集』(角川春樹事務所) [book]
誕生日なのだ。
不惑であるし、不惑を越えると初老であるらしい。初老といわれてもおかしくない程度には眉毛の伸びが激しくなってきた。村山富市とまではいかないが。一方で心は青年期からほとんど成長していないように思う。20代のころ、40歳なんてとんでもないおやぢだと思っていたのは当方だけではないはず。
とりあえず体型と視力だけはほとんど変わらず維持してきているものの、頭髪は薄まり体のそこかしこにガタがきているという自覚はある。しかし、中身は変わらない。見た目だけ変わっていくものだとしみじみ思う。20代の自分に、(外見は別として)40代の自分はそんなにおやぢじゃないよ、と言ってやりたいものです。
閑話休題。『川崎洋詩集』である。不惑を迎えたから詩集を読んだ、というわけではない。以前、こんな新聞記事を読んだからだ。
余命半年 元校長、中学校で「最後の授業」 吹田市
記事の内容のクリティカルなシチュエーションについては当方ごときが言及すべきものではないと思うのでコメントは差し控える。ただ、当方も近しい人間を同じような年齢でなくしているので、ご本人の悔しさや周りの無念さが幾許なりともわかるような気がする。
この詩集には記事の終わりのほうで紹介されている、「いま始まる新しいいま」という詩が収録されている。当たり前だが、当blogで紹介している本は読了してから紹介することを原則としているが、取り急ぎ、この詩だけは早めに紹介しておきたいと思ったのでエントリした。ネットでも検索すれば、全文を読むことはできるが、一冊の本になったものを買うのもいいんじゃないでしょうか。お昼一食抜けば買えるわけだし。
こういう詩を読むと、己の弱さを反省するし、これまでの怠惰な日々を後悔する。そう、年齢を重ねるということは、若いときより少しだけ反省する気持ちがが長持ちするということなのだ。
コメント 0