『ラストキング・オブ・スコットランド』 [movie]
●配給:2006米/FOX
●スタッフ&キャスト:
[監督]ケビン・マクドナルド
[原作]ジャイルズ・フォーデン
[出演]フォレスト・ウィテカー,ジェームズ・マカボイ,ケリー・ワシントン,ジリアン・アンダーソン
最近になってアフリカを舞台にした映画を観る機会が多くなった。『ホテル・ルワンダ』・『ナイロビの蜂』や『ダーウィンの悪夢 』(ノンフィクションだけど)などか。いずれも現代日本では考えられないような現状が垣間見えてきて慄然たる気分になる。本作はそんなアフリカの今に至る道筋の端緒ともなったある人物を基にしたものだ。
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【あらすじ】
スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)は、志を胸に、ウガンダにある診療所で働く道を選んだ。時は1971年。軍事クーデターによってオボテ政権が倒れ、イギリスの支援を受けたイディ・アミン(フォレスト・ウィテカー)が、新ウガンダ大統領の座についた直後のことだ。軍隊のヒーローであるアミンは、国民の期待を一身に集める希望の星だ。そんな彼が、診療所の近くで演説すると聞き、興味を抱いて出かけて行くニコラス。熱弁をふるうアミンのカリスマ性にニコラスは、集まった多くの民衆と同様に強くひきつけられるのを感じる。そんなニコラスとアミンの運命がひとつに交わる出来事が、演説会の直後に起こった…
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ジェームズ・マカヴォイは実際にスコットランド人。『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』では耳の長いタムナスさんを演じていた。 フォレスト・ウィテカーはアカデミー賞受賞も当然とうなづける怪演。そういえばここのところ主演男優賞は『Ray / レイ』や『カポーティ』など実在した人物を演じた人への受賞が多いなあ。
とにかく怖い。なぜ怖いかって言うと怖さを直截的に表現しないから。クライマックスではわりとスプラッタしているけれどね。白人優越主義的なものへの批判やそれを笠に着て権力の庇護下に入るスコットランド人医師の愚かしさなど、そこここに社会はドラマ的なスパイスはあれど、最終的には人間アミンの怖ろしさ表現しようとした映画だった。あー、痛いのが苦手な人は避けたほうが無難です。
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