フランク・ハーバート:『デューン 砂の惑星〔新訳版〕 下』(早川書房) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
そして遂に復讐の時がきた。フレメンの一員と認められたポールは、その超常能力から、預言者ムアッディブとしてフレメンの全軍勢を統率する立場になっていた。ハルコンネン家の圧政とポール指揮下のフレメンの反撃に、惑星アラキスは揺れる。状況を危惧した皇帝とハルコンネン男爵は、軍団を引き連れ、再び惑星へと降り立つが…。映画化・ドラマ化され、生態学SFの先駆けとしても知られる伝説的傑作。
ということで通読が完了。率直な感想として、本来はもっと語られるべき何かがあったのに、尺の問題でちょん切られた部分があるのでは、というものだった。つまり、本書にあたる章はだいぶダイジェストされているのではないかということ。まったくの憶測ですが。
物語の終幕も、明らかにto be continued といった体で、もちろんご存じのとおりこの後もシリーズは続いてくのだが。巻を追うに従い難解かつ複雑になっていく物語だったと記憶している。
典型的な物語の王道を装っている本書は、実は相当にグロテスクな世界観を持っている。この下巻でそれは特に際立っているように思う。願わくはハーバート自身の手になる最終巻まで新訳版を出版してほしいものだ。
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