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坂本光司:『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版) [book]

日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社

  • 作者: 坂本 光司
  • 出版社/メーカー: あさ出版
  • 発売日: 2008/03/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

いまさら感はあるが、とある雑誌に著者のインタビューが掲載されており、興味を持ったので購入。30万部を越え、ビジネス書としては異例のロングセラーとなっているらしい。

「会社は誰のものか」「会社は何のためにあるのか」というのは永遠の命題。当方は比較的に大規模な企業に勤務(上場はしていない)しているからか意識はしていないが、例えば、ありえないけど、どこかのどこかの外資系やベンチャー企業が買収を仕掛けてきたりしたら「この会社はオレたちの会社だ」と思うことだろう。


内容(「BOOK」データベースより)
なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。


本書の第一部で、著者は「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」としている。これは、「会社は誰のものか」「会社は何のためにあるのか」とほぼ同義と当方は読んだ。

なるほど、働くものにとってみたら「こうあってほしい」という会社経営だと思う。 逆に言えば、社員が大切にされていない会社経営が横行している時代なのかもしれない。ブラック企業などの言葉がいま多く聞かれるのはそんな理由もあるんだろう。また、自殺者三万人超の要因でもあるに違いない。

さて、第二部以降はそんな経営を実践している会社の紹介編。気をつけてほしいのは電車の中など人前で読まないこと。「泣けるビジネス書」の謳い文句に眉に唾をこってりつけて臨んだところあっさり涙腺崩壊。一社ごとに言及はしないが、共通していえそうなのは労働をコストとしてみていないことや働くことが尊いものであるという理念だ。

話は跳ぶが、本書を読んでの懸念がひとつ。これらの会社がテーマパークのように視察・見学の対象になりやしまいかということだ。会社からすれば余計な仕事が増えてしまうだろう。 紹介のされすぎで、インパクトが常態化して(刺激に慣れてしまって)ふーんとしか思わなくなってしまうこともあるかもしれない。

実際、先にエントリした『 腹八分の資本主義 』に伊那食品工業が、最新の日経ビジネスには日本理化学工業が紹介されていたりする。まあ、本当にそっとしてもらい地道にやっていきたい会社は取材自体にも応じていないのかもしれないが。

結論を申し述べると、一人でも多くの経営者が読んでおいてほしい本だ。単なる美談としてではなく、経営手法の一つの解として参考になる部分が多いと思う。もちろん、働くものも、働くことの大切さを考える良い機会になる一冊と感じた。


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