『インスタント沼』 [movie]
監督・脚本:三木聡
撮影:木村信也
美術:磯見俊裕
編集:高橋信之
音楽:坂口修
出演:麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、相田翔子、笹野高史、ふせえり、白石美帆、松岡俊介、温水洋一、宮藤官九郎、渡辺哲、村松利史、松重豊、森下能幸、岩松了、松坂慶子
製作国:2009年日本映画
上映時間:2時間
配給:アンプラグド、角川映画
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本作も東京にいたら必ず観ていたであろう作品。同じ監督の『
転々
』は原作の『
転々
』を読んでから行ったが、書籍の方がおもしろかったことを覚えている。とはいえ、ゆるーい作品は嫌いではないのでいそいそと映画館に出かけたのであった。
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ストーリー
担当雑誌が休刊になって出版社を辞めた沈丁花ハナメは、泥沼のようなジリ貧人生をやり直そうと思っていた矢先に、自分の父親が“沈丁花ノブロウ”なる見知らぬ男だと記された手紙を発見する。事実を確かめようと手紙の住所を訪ねると、そこには“電球”と名乗る骨董屋の店主がいた...
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冒頭から麻生久美子がコメディエンヌとしてハイテンションで演技するコメディ映画だ。コメディとは言っても爆笑するものではなく、そのゆるさに失笑するような感じか。失笑は嫌いではないが。
そもそも爆笑を企図して作られているとは思えないのでそれはそれでいい。ただ、この手の映画にはスパイスとしての不条理感が欲しいというのが当方の勝手な意見なので、その部分ではいささか物足りない。
麻生久美子も、そのハイテンション振りはかまわないのだけど、最初から最後まで金切り声を上げている印象があり、金切り声の苦手な当方としては辟易とするところがあった。
じゃあ、金返せ映画なのかよ、といわれそうだがそうでもないところが本作の不思議なところ。今回はたまたま1,000円で鑑賞したけれど、前売り1,500円でもそんなに損じゃなかったろうと思う。
そのあたりは風間杜夫をはじめとした共演陣の演技が雰囲気を持っていたからだと思う。もちろん、麻生久美子だって悪いわけじゃない。
合わない人は徹底的にダメだけど、合う人は、まあこれでいいんじゃないか、とゆるく鑑賞できる作品。他人にはお奨めしないが当方としては鑑賞して良かった作品だ。
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