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今野敏:『武士猿』(集英社) [book]

武士猿

武士猿

  • 作者: 今野 敏
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/05/26
  • メディア: 単行本

さて、今月2冊目の著者の作品。前回ご紹介したのは警察小説だったが、今回は武術小説。ジャンルとしてはかけ離れているように思えるが、著者のサイトをご覧になればおわかりのように、空手道場を主催しているぐらいだから、そのあたりにも造詣が深いのだろう。

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内容(「BOOK」データベースより)
舞台は、廃藩置県後の沖縄。琉球王族の三男坊・本部朝基は、王家の武術「御殿手」を習う兄に勝つため、琉球伝統の「手」の修行を始める。路上で実戦の修行を重ねるうち、沖縄の人々が抱える劣等感に気づいた朝基。本土で「手」の強さを証明し、沖縄人に誇りを取り戻すことはできるのか…!?沖縄から大阪、東京へ。沖縄武士の誇りを懸けた闘いが今、始まる―。

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ということでお昼過ぎから読み始めたのだが、寝る前までに読みきってしまった。うん、おもしろいですよ。読み始めたらやめられないおもしろさがある。

本部朝基という空手家は実在の人物で、wikipediaあたりで検索すると、本書で語られていることのほとんどが実際のエピソードであることもわかる。

これらのエピソードの一つ一つも印象深いものが多く、伝記小説として愉しめる。豪快でありながら人柄は意外に温厚だったらしく、そのあたりもうまく描けていると感じた。

実在した人物だけに、著者流の立ったキャラクターが活躍する物語としては物足りないところもあるが、全体的に卒なくまとまったエンタテインメントとしてお奨めしたい。


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