柴田元幸,高橋源一郎:『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』(河出書房新社) [book]
柴田元幸氏の翻訳はポール・オースターが紹介されたてのころ『 鍵のかかった部屋 』や、ジョン・アーヴィングの『 ウォーターメソッドマン 』を読んだ記憶がある。一方の高橋源一郎氏の著書は一度も読んだことがない。いずれは『 いつかソウル・トレインに乗る日まで 』あたりから入ってみようかと思っている。
内容(「BOOK」データベースより)
小説は“読む”だけではもったいない!書いて、訳して、また読んでみたらあなたも小説を100倍楽しめます!日本を代表する作家と翻訳者が贈る初の“三位一体”小説入門。
ハウツー本のようなタイトルだが、実際には両氏の対談集である。だから、タイトル通りの内容はあまり期待しない方がよろしいと思う。
当方がいちばん興味深かったのが計60冊の日本の小説を両氏が選定しそれに関して語るというもの。当然のことながら当方の知らない作家や作品の紹介があり、すべてを両氏が解説しているわけではないが、何冊かは読んでみたくなるものだった。
その他、海外文学の紹介でも、このところご無沙汰しているジャンルであり、時には読んでみなければと考えさせられる。そういう意味で、このところ内外の文学から隔たってしまっている人が自分を駆り立てるために読むにはいいかもしれない対談集だ。
コメント 0