永禮弘之:『強い会社は社員が偉い』(日経BP社) [book]
当方は筋金入りの不良社員なので、いつもお給料をもらいすぎだと思っている。当然、返納する気はないのだが。その点、一般的には自分の処遇に不満があったり人事制度に不信感があったりするのが普通の会社員らしい。当方は変わっているのか?
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[BOOKデータベースより]
大切なのは、株主より、社員。21世紀の会社づくりは、正社員が主役になる。
第1部 強い会社は社員が偉い(社員様第一経営のススメ;「社員様第一経営」の要は人事部です;普通の社員が「社員様」になる;人事部長の本音を聞こう);
第2部 「社員様第一経営」を探して(野々村人事部長の歳時記;「フラットな組織」は机上の空論 現実は“フマンな組織” 疲れているミドルが目立つ会社はキケン;管理職たちの仕事力、意欲の格差が激しくなっている ミドルは「社員様第一経営」の担い手になれる…のか?;わたしのキャリアアップを邪魔するのは誰だ?会社の95%が「キャリアアップは社員の自己責任」と;「ダイバーシティー」って女性のことだけではありません トヨタ自動車が掲げる新しい職場づくりとは ほか)
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第一部の出来がすばらしいと思う。とくにここ数年の企業のあり方の変遷と人事制度の関連を俯瞰する記述は明晰。人事制度が働き方を変えるなんてこれっぽっちも思っていない当方には共感できる内容だ。
第2部以降は仮想の人事部長を通してのケーススタディの記述だが、このあたりはやや一般的な見解というか理想論が展開され、当方にはやや物足りない。
とはいえ、全体に真面目かつ著者の熱さが伝わってくる内容。人事関連の仕事をされている方は読んで損はないと思う。
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