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スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女<上・下>』(早川書房) [book]

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

  • 作者: スティーグ・ラーソン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下

  • 作者: スティーグ・ラーソン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

海外の小説が苦手、という人の多くが言うのは、登場人物の名前を覚えられないというもの。確かに見慣れないカタカナ名前はすっと頭の中に入ってきにくいということはある。関係ないかもしれないが、映画でも、外国人の顔が覚えにくいという人はいるもんね。

スウェーデンの小説の人名は英語圏よりもさらに見慣れない。そんなことに配慮してか、出版社は登場人物一覧を栞のように挟み込んでいる。ふつう、この手のものは巻頭に一覧化されているものだが、必要な人はいちいち巻頭までめくらないでいいし、いらない人は捨てちゃえばいいということだろう。

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[BOOKデータベースより]
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。ミカエルは信頼を受諾し、困難な調査を開始する。全世界で800万部を突破した『ミレニアム』三部作の第1部、いよいよ刊行。

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スウェーデンのミステリといえばマルティン・ベックシリーズが嚆矢だが、最近ではヘニング・マンケルのヴァランダーシリーズが有名なのかな。当方は未読だが。

本作は、それらのような警察官を主人公にしたものとは異なるミステリ作品。内容はあらすじの通りなんだけど、ミステリ以外のいろいろな要素をミックスさせたのが本国での成功の要因か。著者はもともと社会問題を扱う雑誌の編集者。そんな視点で充実した福祉国家のイメージが強いスウェーデンの暗部を描く部分もある。

気になったのはいささかご都合主義的な展開。それは女性調査員に超人的な能力を持たせていることが一因で、こんな能力があったらほとんど何でもできてしまうと思うぞ。

あらすじやお国柄から受ける印象とは異なり比較的軽い書きっぷりではあるが、内容はそれなりに重いものがある。お気楽なミステリというわけではないのでそのあたりは相応の覚悟をして臨むべし。


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