安藤健二:『封印作品の憂鬱』(洋泉社) [book]
ここ数年、図書館は利用したことがない。というか、会社に入ってから利用したことがないぞ、いま気づいた。つまり弊blogでご紹介している書籍はすべて購入したものであるということ。ご想像の通り部屋は本置き場と化している。魔窟だ。
それはともかく、なぜ購入して読むかというと、もし読み返したくなったときその本が手に入らなかったらどうしようというオブセッションのためだ。いま買っておかないとあとで読めなくなるかもしれない。消滅していってしまう本があまりにも多すぎると思う。また、本書で描かれているように封印されてしまう場合もあるしね。
BOOKデータベースより
ドラえもん(アニメ)が、ウルトラマン(特撮)が、涼宮ハルヒ(漫画)が、封印だって!?1970年代のアニメ裏事情、タイとの合作と著作権トラブル、そしてメディアミックスの鬼っ子…封印作品、現在進行形。
第1章 ポケットの中の悪夢―日本テレビ版『ドラえもん』(石化した時間;富山事件;不可解な出生 ほか);
第2章 白猿の暗黒舞踏―『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(オート三輪と高層ビル;ウルトラリンチと呼ばれて;ベトナム戦争とサービス精神 ほか);
第3章 歯車と少女―みずのまこと版『涼宮ハルヒの憂鬱』(涼宮家の一族;禁じられた妄想)
ということで「封印作品」シリーズも三作目。第1,2章は従来と同様に数十年前のコンテンツを取り上げているが、第3章はつい最近と言っていいほどの過去のことで少し異色。その分、過去へ遡るための関係者へのアタック度合いも低くそういった意味での物足りなさは残る。
やはり著者の持ち味は飽くなき探求心による関係者からのヒアリング。第1,2章は相変わらずのおもしろさがあり充分に期待に応えてくれた。前二作を読んでいる人は通読してみては如何。
コメント 0