竹中正治:『ラーメン屋vs.マクドナルド』(新潮社) [book]
ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
- 作者: 竹中 正治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 新書
外食産業に関するドキュメンタリを探しているのだけれど意外に存在しない。デニーズやすかいらーく、そしてロイヤルホストを創業した江頭匡一氏の評伝なんておもしろそうだと思う。何かマスコミや出版とは相容れない部分があるのだろうか。食肉ということについてなんらかの自律的ブレーキが働く可能性はあるかもしれないが。
さて本作を手に取ったのはタイトルにある日本を代表する外食の一つであるラーメンとマクドナルドの戦いを描いたドキュメンタリ...嘘、嘘です、そうじゃなくてラーメン文化とマクドナルド文化に代表される経済面からの日米比較文化論というのがそのテーマ。したがって、当方のように勘違いして購入されないように、と一言だけ申し添えておこう。
出版社/著者からの内容紹介
アメリカ人はマックに頼り、日本人はラーメンを究める。大統領は希望を語り、総理大臣は危機を語る。アメリカ人は対面でディベートし、日本人は匿名でブログする。日本に「ビル・ゲイツ」はいないが、小金持ちならたくさんいる......。日米双方の事例を照らし合わせると、それぞれの強みと弱み、そして社会の特徴がくっきりと浮かび上がってくる。世間にはびこる通説をデータと実例で覆す、目からウロコの日米比較。
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内容は平明な文章で語られておりまた日米比較をわかりやすくデータで立証しようとする面など思ったよりは敷居は高くない。たとえば日本の格差は米国に迫っているのかと思っていたが彼我の差はまだまだあるように思える。まあ、それだって数字のマジックなのかもしれないけれど。
日米の外食産業の比較を期待されている向きにはまったくお奨めできないが(あたりまえだ)、文化や経済そしてメンタリティの違いについて簡単に理解したいという向きにはさくっと読めることもあり読んでも損はないと思う。
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