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『ザ・マジックアワー』 [movie]

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●上映時間:136分
●配給:2008/東宝
●スタッフ&キャスト:
[監督][脚本]三谷幸喜
[出演]佐藤浩市,妻夫木聡,深津絵里,綾瀬はるか,西田敏行
小日向文世,寺島進,戸田恵子,伊吹吾郎,浅野和之,香川照之

フィクションの中でフィクションが語られる、というのはもっともフィクションらしい語りのテクニックの一つだ。「千夜一夜物語」の昔から始まって、ミステリの多くでも「作中小説」というかたちで語られたりする。その種のフィクションの到達点の一つにスタニスワフ・レムの『完全な真空』や『虚数』があるのかもしれない。

当方が観た中で「映画の中の映画」という構造を持っているのは、最近では『インランド・エンパイア』なんかがそうかもしれない。古くは『カイロの紫のバラ』…あれは、映画の登場人物が現実世界に出て来たったやつだっけ。

とはいえ本作はそんな小難しいことを考えずに素直にコメディとして楽しめる。「映画の中の映画」という映画の多くがそうであるように、この作品もまた映画に対するオマージュにあふれた映画。

展開が遅く若干間延びしているかな、ということは感じた。全体として、良くも悪くもゆるい味わい。それでもそこかしこに笑いや涙があったり。最近では死語になりかけてるかもしれないがペーソスあふれる映画、という言葉でまとめてみよう。


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