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香納諒一『ハミングで二番まで』(双葉社) [book]

ハミングで二番まで―初期傑作短篇集 (双葉文庫 か 32-1) (双葉文庫)

ハミングで二番まで―初期傑作短篇集 (双葉文庫 か 32-1) (双葉文庫)

  • 作者: 香納 諒一
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2008/05/15
  • メディア: 文庫

映画の日の三本目、『ミスト』をエントリし損ねてしまった。機会があったらまたエントリし直すことにしよう。さて本書はそんな日々の合間に読み続けた著者の処女作品「ハミングで二番まで」を収録した短編集。著者の作品はこれまで長編を三冊読了したが短編集ははじめて。

著者あとがきにあるように、大きく分けて二系統の作品が収録されている。「人生の断片を切り取ってただ投げ出すように話が終わっていくものと、どんでん返しの面白いもの」と著者は表現している。なるほど、著者の長編はこの二つの系統がうまくミックスされているのだな。

長編においては、時にあふれるようなアイディアがリアリティを逸脱する直前で優れた人物描写が軌道を修正する感じだ。短編においては、確かに読み応えという意味では物足りないものがあるが、著者のテイストは間違いなく感じられる。著者の作品を好んで読む方は読んでおいて損はないだろう。

 


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