山口栄一:『イノベーション 破壊と共鳴』(NTT出版) [book]
2月に著者の講演を聴きに行った。本書には載っていない裏話のようなことも聴けておもしろかった。語り口の穏やかなわかりやすい話をする人物と感じたのだった。
さて本書はその講演の内容と≒であるわけですが、そのときは素人相手に話しているだけあって、テクニカルな用語は極力使われていなかった模様。本書の第三、四章で語られる技術用語はまったく理解できずにほぼ飛ばし読み。
ただ第三章で描かれるフェアチャイルド・セミコンダクタ社をスピンアウトしたボブ・ノイスとゴードン・ムーア、そしてアンドリュー・グローブのエピソードは興味深かった。だってインテル入ってるになるんだもんね。だから、第三、四章はプロジェクトX的な読み方をすると読み物として充分におもしろい。
全体としてはいわゆるビジネス書として読んだんだが、科学史書な側面があったりする。また、冒頭の日本における農業から始まり、2005年の総選挙の話で終わるなど一種の日本人論的な読み方もできる。わかりやすい文章でところどころ頷ける部分もあるので好き好きもあると思うが興味ある方は手にとってはいかが。
タグ:【読書】人文・社会
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