『FRINGE / フリンジ 〈ファースト・シーズン〉Vol.2』 [dvd]
概要
「LOST」シリーズのJ.J.エイブラムス製作総指揮による科学サスペンスの第2巻。謎の死を遂げた女性が妊娠して数時間のうちに出産し、赤ん坊も短時間で80歳の老人になっていた。第2話「80歳の赤ん坊」と第3話「預言する男」を収録。
第一巻はBlu-rayで鑑賞したからか、DVDレンタルで視た本作ではアナ・トーヴの目尻(の皺)はあまり気にならなかった。画質とかあまり気にならない当方だが、やはりBlu-rayって高画質なんだなと実感したのだった。
閑話休題。本作を視て思ったのは、これは通しで視るべきシリーズものなんだなとういこと。いや、まあ、当たり前なんだが。たとえばBonesシリーズのようにエピソード自体は一話で完結する構成ではないから、生真面目に順番通りに視ていかねばならないということだ。
個々のエピソードでは、第2話の「80歳の~」はありがちなプロットで意外性は感じられず、このままだと途中で断念か、と思っていた。第3話の「予言する男」が、その後への盛り上がりを予感させるエピソードであったので、まあよしとするか、というところ。
気になっているのが、本シリーズでは、ウォルター博士とFBI捜査官のとアストリッドがコメディ・リリーフという位置付けだが、博士の目が笑っていないのでさらに緊張感が増してしまうということだ。それにしても忘れっぽい科学者だと思う、ウォルターって。
引き続き、意味ありげな伏線がばらまかれており、それらがどのように収束していくかが見所なんだろう。次巻以降のエピソードの出来如何では中途での視聴断念もやむなしか、という当方にとっては崖っぷち状態といえるVol.2だ。
『それでも恋するバルセロナ』 [dvd]
原題:
Vicky Cristina Barcelona
監督・脚本:
ウッディ・アレン
製作:
レッティ・アロンソン、ギャレス・ワイリー、スティーブン・テネンバウム
出演:
スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、レベッカ・ホール、パトリシア・クラークソン
製作国:
2008年アメリカ・スペイン合作映画
上映時間:
1時間36分
配給:
アスミック・エース
【内容】
ペネロペ・クルス×スカーレット・ヨハンソンの2大女優共演で贈るラブ・バカンスムービー! ひと夏を過ごすためバルセロナにやってきたヴィッキーとクリスティーナが、セクシーな画家フアン・アントニオに一目惚れ。そこに画家の元妻まで現れ、3人の女と1人の男の関係は予想だにしない展開へ…
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こりゃ困った。
大絶賛する気満々で鑑賞したものの、終わったらポカーンとしてしまった。いや、当方がそのおもしろさを理解できなかったに違いない。
いわゆるラブコメディにカテゴライズされるんだろうが、笑えるシーンは当方にはまったくなかった。ウディ・アレンの映画が好きじゃないというわけではない。『 マッチポイント 』も『 タロットカード殺人事件 』もかなり愉しめたのだから。本編も同監督のシニカルな視線は共通しているし、そのあたりは同じ味わいだとも思えたのだし。
まず、ストーリーがよくあるハナシであることや、結局どこが山場だったのか掴みきれなかったこと、あるいは女性向けに味付けられていて、当方にはその滋味がわからなかったからなのか。今後その敗因はしっかりと分析しておこう。ただ、一ついえるのは、登場人物の誰一人として感情移入できなかったのははきつかった。
レベッカ・ホールが好演しながらも地味であったこと、ハビエル・バルデムがあれだけもてるのが不思議であることなど。パトリシア・クラークソンも、この状況でそんなことするなよ、と突っこみたくなってしまったのだった。
とはいえ、画面の中でスカーレット・ヨハンソンとペネロペ・クルスが動いているのを観るだけでうれしくなってしまうのだから、当方にとっては決してレンタル料金返せ映画ではない。だから、男性だったら女性と一緒に鑑賞してその反応を確認してもらいたい映画だと思ったのだった。
『ドゥームズデイ』 [dvd]
監督・脚本: ニール・マーシャル
撮影: サム・マッカーディ
出演:ローナ・ミトラ、マルコム・マクダウェル、ボブ・ホスキンス、アレクサンダー・シディグ
製作国: 2008年アメリカ映画
上映時間: 1時間50分
配給: プレシディオ
内容
2008年、イギリス北部の街グラスゴーで突然発祥した「死のウィルス」。その感染を防ぐため、政府はイングランドとスコットランドの間に巨大な壁を造り、壁の北に住む人々を見捨てた。2035年、根絶したはずのウィルスがロンドンに現れる。政府は壁の北側に生存者がいることから、抗ウィルス剤があると判断。女兵士エデン(ローナ・ミトラ)を隊長とした部隊を送り込む。しかしそこは暴力に支配された世界だった…
予想を裏切る、良い意味でのおばか映画だ。美人女優に殺人ウィルスとくれば『 バイオハザード 』シリーズを思い起こさせるんだが、それも含めての"ごった煮"的映画である。とにかく、コンテンツにおけるありとあらゆる"世界観"をぶちこんでいるのだから。
当方の世代で言えば、『北斗の拳』や「マッドマックス」シリーズであったり、ちょっと古めでは『ニューヨーク1997』や『ゾンビ』を想起させる世界観。後半部分では、なんと中世のお城や甲冑姿で馬に乗った戦士まで出てきちゃうのだから笑うしかない。
そんな世界観の中で、ストーリーはほとんどほっぽり出されている。暴力と恐怖の支配する世界で、主人公の女兵士がいかにサヴァイバルするか、ということが中心かと言えば、いや実はそうでもなかったりする。ローナ・ミトラ演ずるエデンは、不敵な面構えで敵を淡々と斃していく。その手のドキドキ感はうすい。
本作の監督は、とにかく自分の好きな世界を構築したかったのだと思う。それが結果として「マッドマックス」や『ニューヨーク1997』のそれであったりしたわけだ。 なにしろ日本円で23億円の制作費を任されちまってるんだから、もうやりたい放題だ。
そんなニール・マーシャルという監督の作品は初見だろうと思ったら、なんと『 THE DESCENT 』を映画館で鑑賞していたよ。なるほど、血なまぐさい描写は本作でも共通するものがあった。
出演者はほとんどが英国人。ローナ・ミトラは少し地味なのかもしれないがクールな美女。ちょっとエキゾチックな顔立ちをしていると思ったらインド系の血も少し入っているらしい。マルコム・マクダウェルは、いつのまにかこの手のB級作品にしか出なくなってしまった。ボブ・ホスキンスが好演している。
一応まとめてみると、良識派の映画好きには決してお奨めできないB旧怪作。世界観も、あちこちのエンタテインメントから借りてきたものでオリジナリティはないと言っていい。スプラッタ描写も多くその手が苦手な人も避けた方がいい。ところが、それらの要素が集まって一本の作品になると愉しめてしまうのだから不思議だ。真剣なバカバカしさを好む変わった映画ファンに奨めておこう。
◎関連エントリ
・『アンダーワールド ビギンズ』
『G.I.ジョー』 [dvd]
原題:
G.I.Joe: Rise of Cobra
監督:
スティーブン・ソマーズ
製作:
ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、ライアン・ゴールドナー、ボブ・ダクセイ
脚本:
スチュアート・ビーティー、デビッド・エリオット、ポール・ラベット
撮影:
ミッチェル・アムンドセン
音楽:
アラン・シルベストリ
出演:
チャニング・テイタム、レイチェル・ニコルズ、マーロン・ウェイアンズ、シエナ・ミラー、レイ・パーク、イ・ビョンホン、デニス・クエイド、ジョセフ・ゴードン=レビット
製作国:
2009年アメリカ映画
上映時間:
2時間2分
配給:
パラマウント
【STORY】
あらゆる金属を食い尽くす化学物質“ナノマイト”が邪悪なテロ組織“コブラ”に強奪された。その輸送任務に就いていた兵士のデュークとリップコードは、最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”に入隊して、コブラとの対決に臨む。しかし、コブラはナノマイトを搭載したミサイルでエッフェル塔を破壊。阻止しようとしたデュークは敵に捕まってしまう…。
当地の近隣でもかかっていたので、行こうと思えば行けたのだけど、そのあまりの評判に結局鑑賞しなかった作品。その判断自体はまちがっていなかったと思うが、迫力のあるカーチェイスもあり、どちらかというと映画館向きの映画だといえる。
そもそも、輸送任務に就いていた兵士と強奪犯とが顔見知り(というか、かつての恋人同士)であるという設定自体に無理がある。また、結局その場は"G.I.ジョー"部隊に救出されるのだが、だったら最初からG.I.ジョーに輸送を任せれば良かったんじゃないの、と突っこんでしまいたくなる。
その後も、行き当たりばったりの展開。意外に簡単にG.I.ジョーの秘密基地が発見されて襲撃されたりするんだが、もうちょっとセキュリティを高く設定しないと国際機密部隊の名が泣くよ。
設定も展開も中途半端な作品だと思う。砂漠の下に秘密基地があり、そこから垂直離着陸機が発進するなんてところは戦隊モノの風情なんだが、じゃあ子ども向けかなのかと思えば、イ・ビョンホン演ずるスネークシャドーはばったばったと人を刺し殺す凶悪な暗殺者だったりする。
ようするに、狙いとする年齢層の幅を広げすぎた結果なんだろう。10歳から40代半ばまでの男性がターゲットのように当方には思えたが、やっぱりそれは無理があると思うよ。結果、どっちつかずということになっている。あまり深く考えずに鑑賞するにはいいのかもしれないので、100円レンタルで借りるが吉かな。
まあ、レイチェル・ニコルズが綺麗だったのでよしとしよう。そして、主人公の昔の友人役のジョセフ・ゴードン=レヴィットはどっかで観たことあるなあと思ってたら『 BRICK‐ブリック‐ 』を鑑賞していた。本作では出番は少ないものの、いちばんの怪演をしていたぞ。
『ウォッチメン』 [dvd]
ウォッチメン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: DVD
原題:Watchmen
監督:ザック・スナイダー
製作:ローレンス・ゴードン、ロイド・レビン、デボラ・スナイダー
製作総指揮:ハーバート・W・ゲインズ、トーマス・タル
原作:デイブ・ギボンズ
脚本:デビッド・ヘイター、アレックス・ツェー
撮影:ラリー・フォン
美術:アレックス・マクドゥエル
編集:ウィリアム・ホイ
音楽:タイラー・ベイツ
出演:ジャッキー・アール・ヘイリー、パトリック・ウィルソン、ビリー・クラダップ、マリン・アッカーマン、マシュー・グード、ジェフリー・ディーン・モーガン、カーラ・グギーノ、スティーブン・マクハッティ、クリント・カールトン、グレン・エニス、ドン・パイン、アポロニア・バーノワ、ダリル・シェーラー、ニアル・マター、ローラ・メンネル、マット・フルーワー、ダニー・ウッドバーン、ロバート・ウィスデン
製作国:2009年アメリカ映画
上映時間:2時間43分
配給:パラマウント
内容(「キネマ旬報社」データベースより
アメリカの人気グラフィックノベルを『300 <スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー監督が映画化。世界の監視者として重大事件に関わり続けてきたウォッチメンたちは、77年に政府が施行した法律によって活動を禁じられていたが…。
いや、失敗した。転勤時のドタバタがあったとはいえ、この作品を映画館で鑑賞しなかったのは大失敗だった。世界観に奥行きと厚みがあり、テーマも重厚だ。日本ではたぶん興行的には成功しなかったんだろうが、同じアメコミの『 ダークナイト 』に勝るとも劣らない作品だと思う。
取っつきにくい映画かと警戒していたら、案の定やさしくおもてなししてくれる映画ではない。我々の歴史と少しだけ違うパラレルワールドでヒーローが現実に存在している、という設定と、彼らは超人というわけではなく普通の人間より優れた身体能力を持つ自警団的存在であるという環境がなかなか掴みにくい。
中盤以降、その世界像がぼんやりと掴めた時点において、冒頭での(引退した)ヒーローの死の重要性がわかる。彼の死を隠密に調査するロールシャッハや、自身がヒーローであったことを公開している実業家、そして隠遁生活を送る若いバットマンみたいなやつが物語が絡み合っきて、ようやく物語のテーマが掴めるという結構だ。
当方は「正義とは何か」というテーマと感じた。登場するヒーローたちのうち幾人かには、自己の力に慢心し乱暴狼藉を働く者や、怒りに任せて犯罪者を死に至らしめる者もいるのだから。
そんなダークな世界観で進んでいく物語は、当方にとっては衝撃的なラストまで飽かせず進んでいく。2時間43分という長丁場を感じさせない映画だ。また、出演者には、いわゆる有名俳優はいないけれど、それぞれの持ち味をうまく引き出し好演していると感じた。
劇場で観逃した人にはお奨め。ただし、R-15作品だけあって残虐シーンなどもそこそこあるから、その手が苦手な人はお気をつけを。
『ザ・バンク 堕ちた巨像』 [dvd]
ザ・バンク 堕ちた巨像 コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
●上映時間:117分・PG-12
●配給:2009米/ソニー
●スタッフ&キャスト:
[監督][音楽]トム・ティクヴァ
[脚本]エリック・ウォーレン・シンガー
[出演]クライヴ・オーウェン,ナオミ・ワッツ,アーミン・ミューラー=スタール,ブライアン・F・オバーン
ストーリー
インターポールの捜査官サリンジャーは、NY検事局のエラとともに巨大銀行IBBCの違法行為を探っていた。しかし何者かによって仲間や証人を次々と殺害された彼は、自らの命までも脅かされていく。
本作を鑑賞して、フィクションにおけるリアリティとは何かということを柄にもなく考えてしまった。不正をはたらく巨大銀行を主人公が追求するという物語だが、その巨大銀行がいささか乱暴すぎるのである。
武器の仲介業というのは、まあこの時代だからやっていてもおかしくはないのかもしれないが、 それを知った人間を容赦なく消していくというのはいくらなんでもリアリティなさ過ぎ。
まして取引相手が取引を中止しようって段で暗殺してしまうのは、それって無理矢理だと思うぞ。たしかにビジネスの世界ってなんでもありな側面はあるけど、所詮はビジネスマンであって人殺しを指示するほどの肝っ玉の据わったやつっていないと思う。
細かいところで言えば、悪玉の親玉である銀行の頭取が、自宅で息子と遊びながらテレビ会議で殺しの指示をするっていうのも、なんか脇が甘いというかありえなさ度が急上昇してしまう。
テーマ的には、組織の悪はその中枢の悪を取り除いてもまた発生するという組織のメカニズムを描こうとしたのではないかと推測してるんだが、その悪が一個人に集約されるというのは幻想であると思う。昔みたいに世界征服を企む悪の組織じゃないんだから。
細かい伏線を回収しないことなども含め、明らかに脚本が破綻している。見せ場の美術館での銃撃戦など良いところはあるんだが、それが国際銀行と国際刑事機構が撃ち合ってるなんてリアリティのかけらもないと思う。
監督のトム・ティクバは『 パフューム 』がすばらしかったが、今回は地雷脚本を踏んでしまったようだ。とはいえ、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツが好きな当方としてはそこそこ面白く鑑賞してしまった。両者が好きな人には強力にお奨めするが、それ以外は少し躊躇ってしまう作品だ。
『秘密結社 鷹の爪 カウントダウン 第1巻』 [dvd]
このDVDはAmazonで予約購入した。発売日頃の発送メールをみると、いつもならメール便で来るのに通常配送とのこと。なんでかなあ、と思っていたら初回特典で全4巻が収納できるケース付きだった。どうりでデカイ箱で来るわけだ。
内容紹介
深夜のお茶の間に衝撃を呼んだ「鷹の爪団」が帰ってくる!
ファン待望の最新テレビシリーズ第2弾!!
あいも変わらず貧乏なベンチャー秘密結社・鷹の爪団の面々は、あの手この手で世界征服のための資金稼ぎに奔走する毎日。
どうやらテレビで放映されていたらしいが、当方はテレビを視ないし当地ではおそらく放映されてなかっただろう。どっちみちDVDは買うはずだからよしとする。
で、内容的にはいつものユルーい感じが懐かしく思える。最近は映画版でハイテンションなものしか観てなかったし。お茶の間世界征服というコンセプトが戻ってきたと思う。
ファンの方は言われないでも購入済みだろう。まだ知らない人は、youtubeなどでパイロット版を検索し自分に合っているかどうかを確認されるがよろし。
1月にはまた映画版が公開されるようだ。むろん、当地ではすぐには上映されないだろうからその時期には帰省しないと。
『こま撮りえいが こまねこのクリスマス ~迷子になったプレゼント~』 [dvd]
アニメーター:峰岸裕和、大向とき子
プロデューサー:松本紀子
製作国:2009年日本映画
上映時間:20分
配給:ドワーフ
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本作の前作である『
こま撮りえいが こまねこ
』を渋谷のシネマライズで鑑賞したのは2006年12月17日。もう3年前にもなるのか。昨日のことのようだよ。
当日は作品内容ゆえかお母さんと女の子のペアが多く、当方のような中年男性は少数派だったのを覚えている。しかも、あそこは場内のビールが缶のまま渡されるのでプシュッ音が少し恥ずかしかった。
5話のオムニバス構成になっていて、特に最終話には当方ボロ泣き。登校拒否をしたことがある人はぜひ観て欲しい。そのときの自分の気持ちとかお母さんの心配具合とかがよみがえってくるから。
さて、本作も渋谷のライズエックスで昨日まで上映されていたようだが、まさか当方は渋谷まで赴くわけにも行かず2日発売の本作をAmazonで購入、視聴したのだった。
【作品内容(ストーリー)】
山の上のおうちにおじいと暮らすこまちゃんは、ものづくりが大好きなこねこの女の子。
クリスマスにパパとママに会えるのを楽しみにしていたこまちゃんのもとに、2人からちょっと早いプレゼントが届きます。
かわいいお人形に大喜びのこまちゃんでしたが、そこには「クリスマスには帰れない」と書かれた手紙も同封されていました。
すっかり元気をなくしたこまちゃんに、友達の発明少年ラジボーがある提案を持ちかけて…。
上映時間20分のDVDに3,000円も拠出するのだから当方も酔狂ではあるが、3,000円出しても惜しくない内容だったと言っておこう。
本シリーズは、もちろん主人公のこまちゃんのかわいらしさに魅力があるのだが、それ以上にキャラクタたちがみせる表情の豊かさに見所がある。人形にこれだけの感情表現をさせるスタッフの努力を賞賛したい。
ところで、この作品もそうだが、本シリーズは全編にわたって少しもの悲しい雰囲気があるように思える。こまちゃんはおじいさんと二人暮らしのようだが、お父さんとお母さんはどうしているんだろう、とかね。でも、最終的には希望とか未来とかを感じさせるストーリーになっているところがいい。
もうひとつすばらしいのは音楽。本作のクライマックスは雪原が舞台だが、その背景音楽が静謐な雰囲気と相俟って感動を倍増させる。シリーズを通じてのアーティストだが、そのすばらしさに前作のオリジナル・サウンドトラックも購入済みだ。
うーん、やはり劇場で鑑賞したかった。もちろん、DVDも買っただろうけど。不惑の中年男性が観てもたのしめる作品。老若男女ひっくるめ、最大限にお薦めしておこう。
こま撮りえいが こまねこのクリスマス ~迷子になったプレゼント~ [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- メディア: DVD
『ザ・セル』 [dvd]
原題:The Cell
監督:ターセム
衣装:石岡瑛子
出演:ジェニファー・ロペス、ビンス・ボーン、ビンセント・ドノフリオ
製作国:2000年アメリカ映画
上映時間:1時間49分
配給:ギャガ・ヒューマックス共同
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
ターセム・シンが演出、『アウト・オブ・サイト』のジェニファー・ロペス出演のサイコ・サスペンス。女性心理学者キャサリンの元に、意識不明の殺人鬼の脳の中に入り込み、誘拐された女性を探すという依頼が舞い込む…。
『落下の王国』で初めて鑑賞したターセム監督が初めてメガホンをとった映画。『落下の~』とは異なり、初監督作品はシリアルキラーの精神に潜行する女性を中心に描いた映画だ。
とはいえ、単なるサスペンスやファンタシィではなく、潜行した相手の心象風景(まさに風景!)は同監督らしいイマジネーションに溢れており、そこが見所となっている。一部の風景はおそらくCGが使われているが、それに満足できなかったために『落下の~』が生まれた、と推測してしまう。
このイメージは(模倣とかそういう意味ではなく)『パンズラビリンス』のデル・トロ監督のそれと通じるものがあるように思う。ターセムがインド出身、デル・トロがメキシコ出身という地域性が作用しているのかもしれない。
タイトルの"ザ・セル"とは、シリアルキラーが犠牲者を閉じ込める独房のことを指す。このセルは決まった時間に水で満たされ、監禁された者が溺死するような仕組みだ。そこにタイムリミットサスペンスが生まれるというわけ。
この脚本がより緊密なものであったなら独特の映像美と相俟ってより楽しめたかも。具体的には書かないけれど、犯行の手がかりになるあるものが、なぜそこで気づかなければならないのか不自然と思ったからだ。
それなりに愉しめた作品ではあるが、『落下の王国』の幻想的な映像美が気に入った人でも、残酷シーンが苦手な人には本作はお奨めできない。相応に耐性がある人には、ということにしておこう。
『デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2』 [dvd]
デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2 [DVD]
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- メディア: DVD
原題:FINAL DESTINATION 2
製作:ウォーレン・ザイド、クレーグ・ペリー
監督:デヴィッド・エリス
脚本:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー
撮影:ゲイリー・カポ
美術:マイケル・ボルトン
音楽:シャーリー・ウォーカー
出演:A・J・クック、アリ・ラーター、マイケル・ランデス、トニー・トッド、T・C・カーソン、ジョナサン・チェリー、キーガン・コナー・トレイシー、リンダ・ボイド
製作国:2003年アメリカ映画
上映時間:1時間30分
■■■
以前にご紹介した『
ファイナル・デスティネーション
』の続編だ。前作のアイデアを思いついた人は、これはすごい鉱脈だ、と思ったに違いない。登場人物たちの死なせ方やいかに死から逃れるのかというヴァリエーションで何度でも映画化できそうだから。実際、秋には第4作目が封切られるようだ。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
大ヒットショッキングホラーの続編。ハイウェイで起きた突然の連鎖事故。トラックに積まれた巨木が崩れ落ちたのを機に、ハイウェイは一瞬にして地獄と化した。しかし“予知夢”により事故を回避した8人も、時待たずして運命に直面することとなる。
個人的には前作よりおもしろかった。死なせ方のパターンは前作よりもパワーアップというかグロくなってきており、そのあたりは個人の嗜好にもよるが、当方は工夫されていると感じた。特にエアバッグについては、そりゃねえだろ的なもの。
とりたてて感想を申し述べるような作品ではない。休日の午後の暇なひとときにちょっとしたホラームービー、それも陰惨なものではなく晴天の下であっさりと人が死んでいくという不条理感を綯い交ぜにした作品として肩の力を抜いて鑑賞。前作からの登場人物もいるので、順番通りに鑑賞を進めていくようにして欲しい。
『放送禁止』 [dvd]
結局、第一弾をいちばん最後に視聴することになってしまった。いまさら感はあるだろうが、当方の覚書の一環としてエントリしておこう。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
フジテレビ系にて不定期放送中、ドキュメンタリーの手法を用いてフィクションをノンフィクションに見せるホラードラマの第1巻。ある無人のビルに侵入した大学生4人だが、突然、ひとり居なくなったことに気づく。3人は当初気にもしなかったが…
実は第一弾である本作がもっともフェイクドキュメンタリらしい装いを持っている。冒頭のビデオの素材置き場からの導入や撮影風景などがリアリティを醸し出していると思う。
そして最大の特徴は"真実"がわかりにくいこと。実は当方は目を凝らして見続けていたのだが、ラストシーンに至ってまでも「結局のところ何?」と、ポカーンとしてしまった。ネタバレサイトでやっとことの次第がわかった。
そういう意味では、本シリーズは、やはり巻数順に視聴するのが望ましいのではないか。視聴者の反応によって改善されてくる部分もあったろうし。もちろん、本作がつまらないと言っているわけではなく、実はいちばん好きだったりするのだが。近作の劇場版もDVD化が決まったようだし、鶴首して待つことにしよう。
放送禁止 劇場版 ~ニッポンの大家族 Saiko! The Large family [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: DVD
『ホットファズ―俺たちスーパーポリスメン!』 [dvd]
原題:Hot Fuzz
監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペッグ
撮影:ジェス・ホール
音楽:デビッド・アーノルド
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジム・ブロードベント、パディ・コンシダイン、ティモシー・ダルトン、マーティン・フリーマン、ビル・ナイ
製作国:2007年イギリス映画
上映時間:2時間
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
■■■ホットファズの"ファズ"ってなんじゃろな、ということで調べてみたら、fuzz、いわゆるファジーの意味とともに、俗語で"警官"の意味があるようだ。熱い警官、くらいの意味なのかな。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ主演のアクションコメディ。ロンドンからド田舎に左遷されたエリート警官とトロくてお人好しな若手警官が残虐事件に立ち向かう。
タイトルから『 俺たちフィギュアスケーター 』のようなコメディを想像していたのだが、意外や意外、真っ当なアクションサスペンス映画だった。もちろん、コメディの要素もあるのだが。
主人公は優秀な警官ながら、その優秀さを疎まれ英国の片田舎に左遷される。当地の警察署はいかにも、ののんびりした風情。朴訥な村人たちのなかで任務を執行していくのだが、そこで事故とも殺人ともとれる不可解な死亡事件が多発していく...
鑑賞者はそれらが他殺であることが分かるような造りになっている。その殺害方法が意外とえぐいというか、特に教会で殺される男のシーンはかなりグロいので鑑賞注意。
サイモン・ペッグはコメディ俳優らしいのだが徹頭徹尾、朴念仁の警察官を演じていて、これがまた意外とはまっているように思えた。その彼が、ニック・フロスト演じる田舎の警官との友情を育んでいくあたりも真っ当。
アクション・コメディとして鑑賞すると違和感があるかもしれないが、サスペンス映画としては真っ当な造りの脚本と相俟って、当方にとっては飽かせない内容だった。公開時に劇場で観ていれば、と後悔させられる作品だ。
『スネーク・アイズ』 [dvd]
原題:Snake Eyes
監督・製作:ブライアン・デ・パルマ
原作:ブライアン・デ・パルマ、デビッド・コープ
出演:ニコラス・ケイジ、カーラ・グギーノ、スタン・ショウ、ケビン・ダン、ゲイリー・シニーズ、ジョン・ハード
製作国:1998年アメリカ映画
上映時間:1時間39分
■■■
本作を観ていて気になったのは、ニコラス・ケイジが重要人物をカジノで追跡するところ。デ・ジャヴかと思ったら『
NEXT -ネクスト-
』でも同じようなシーンがあったっけ。あっちは追う側ではなく追われる側だったけど。ニコラス・ケイジ、予知能力とカジノの出てくる脚本が好きだと認定しました...
ストーリー
アトランティック・シティの巨大スタジアム。刑事のリックは観衆1万4千人が見守るボクシングの試合会場にいた。彼の友人ケビン中佐は観戦する国防長官の警護にあたっていたが、その最中に長官が何者かに狙撃されるという事件が起こる。リックとケビンは観客を足止めし、捜査を開始するが...
1998年の映画だから、もう10年以上前の作品ということになるのだが、まったく色褪せていない。意外に場面転換が少ないスタジアムの中での舞台劇ともいえそうなこの作品が、2009年の今でも充分に愉しめるところに驚いた。その理由に、当方としては3つほどポイントがあるのでは、と思った。
一点目は俳優陣の個性的な演技。ニコラス・ケイジは冒頭から、おまえラリってるんちゃうの、というくらいのハイテンション演技で、物語をぐいぐい引っ張っていく要素となっている。それからゲイリー・シニーズの爬虫類的・クローン人間的無機質な容貌が冷酷な軍人役にぴったりだ。そういえば隠れたB級名作の『 クローン 』の主役を張っていました。
二点目は映像の技法がユニークであること。本作における冒頭の13分の長回しは一部では有名なようだ。その後、そのシークエンスが関係者の証言と合わさってシンクロしていく過程がおもしろい。その他、ホテルの部屋を俯瞰的に描写するシーンなど、デ・パルマの好きそうなケレン味が満載。
最後に、どんでん返しというわけではないが、普通の映画の文法を少しばかり外したラストの意外さ。最後の最後のシーンの意味を理解するためには十分な観察力と記憶力が必要とされるかもしれないが。当方はポカーンとなってしまったので、意味をネタバレサイトで確認してしまいました。
99分のテンポの速い短尺にB級テイストを詰め込みながらも、最後には映画のセオリーへのアンチテーゼを綯い交ぜにした怪作。未見の諸氏には謹んでお奨めしておこう。
『幸せの1ページ』 [dvd]
監督:ジェニファー・フラケット、マーク・レビン
脚本:ジェニファー・フラケット、マーク・レビン、ポーラ・マズール
製作総指揮:スティーブン・ジョーンズ
製作:ポーラ・マズール
原作:ウェンディ・オルー
撮影:スチュアート・ドライバーグ
音楽:パトリック・ドイル
美術:バリー・ロビンソン
出演:アビゲイル・ブレスリン、ジョディ・フォスター、ジェラルド・バトラー
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:1時間36分
配給:角川映画
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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
アカデミー女優・ジョディ・フォスターと名子役、アビゲイル・ブレスリン共演によるファンタジックアドベンチャー。実は引きこもりのベストセラー冒険小説家・アレクサンドラは、ある日、南の島で暮らす少女からSOSメールを受け取るが…。
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一定以上の映画鑑賞本数をこなすと、別に観なくてもいいかなあ、という勘が働いてくるようになる。本作も時間があるときレンタルでいいか、という感覚を持って臨んだのだが勘は的中したようだ。
映画館で予告編は何度か観ていたが、ジョディ・フォスター主演の作品だと思ったら大間違い。アビゲイル・ブレスリンが主演のジュブナイル映画だ。
ジュブナイルならそれでまったくかまわないのだが、本作ではストーリーのクライマックスをどこに置いているのかがわからないのが辛い。島に住む少女と動物たちが島を守る物語、というのならそれに絞った筋運びをすればいいのに、引きこもりの女流作家が紛れ込んでくる必然性がまったくないのがこの映画の脚本の蹉跌だろう。
主要登場人物3人もそれぞれに存在感があるのだがうまく調和できていない感じだ。もちろん、演技に関しては一級品なのだが。なかでもアビゲイル・ブレスリンの巧さが光る。
家族で安心して観られるアドベンチャー映画としてはいいのかもしれないが、うーん、40代中年男性にはちと辛い内容でありました。
『誰が電気自動車を殺したか?』 [dvd]
監督・脚本:クリス・ペイン
製作総指揮:ディーン・デヴリン,リチャード・D・タイタス,タヴィン・マリン・タイタス
撮影:タディアス・ワドリー
音楽:マイケル・ブルック
ナレーション:マーティン・シーン
出演:チェルシー・セクストン,トム・ハンクス(アーカイブ映像),メル・ギブソン(アーカイブ映像)
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ドキュメンタリ映画というジャンルが好きなのだが、劇場でかかるのは比較的少ないと思う。そこで唯一気を吐いているのがシネマライズ。
これまでにも『 エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? 』や『 ダーウィンの悪夢 』などが上映されていて、当方も喜び勇んで鑑賞しに行ったものだ。本作は日本では劇場公開されていないようだが、同館でかかってもおかしくはない内容だ。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
市場から消えた電気自動車の謎を追究するドキュメンタリー。大発明として注目され、カリフォルニア州で導入政策まで始まっていた電気自動車が、突然市場から姿を消してしまった原因を探る。“CINE STYLE @ SONY PICTURES ドラマselection 第1弾”。
本作は20世紀末にGMが生産していたEV1という電気自動車を巡る米国社会の様相を映しだしたドキュメンタリだ。この車がなぜ進化の途中で、まるで存在しなかった如く人々の記憶から消えてしまったのか。そして、その記憶を消せない元ユーザーたちがメーカーとどのよういに闘ったのかの記録でもある。
いや、実はこれを観る直前までフェイク・ドキュメンタリを三作続けて観てしまっていたので、このEV1なる車もその社会も実はフェイクなのではないか、と思わずwebで検索してしまった。実際にEV1は存在しているので、興味のある方は検索してほしい。
閑話休題、本作ではEV1が誕生するに至った経緯や周辺の人物、そしてプロジェクトが終息するまでの社会・経済環境や政治の状況を活写したうえで"誰か"電気自動車を殺したのがを推測する。
その回答自体はさして目新しいものではないし、映画自体もめちゃくちゃ引き込まれるようなドキュメンタリとはいえないかもしれない。
当方が驚いたのは電気自動車が前世紀末に米国の公道を (車自体はリース物件ではあったが) 走っていたということ。そして、GMのみならずTOYOTAやHONDAが追随して生産を開始していたということを知らなかった・あるいは忘れ去っていたことだ。実際にガソリンスタンドのように電気を供給するスタンドのようなものまで整備していたようだ。
忘れられたテクノロジ、というのはとてもロマンをかき立てられる。例えとしては古いのかもしれないけれど「蒸気機関コンピュータ」とかを想起させる。まるで進化の枝分かれの果てで絶えてしまった生物と同じように。
本作で監督が言いたかったこととに対する感想ではないのかもしれないが、当方としては上記のような感覚を思い起こさせる不思議なドキュメンタリ映画。当方はおもしろかったが、この感覚をうまく説明できないもどかしさはあるんだよね。
『放送禁止4 恐怖の隣人戦争』 [dvd]
東京でも当地でも、隣人とのお付き合いはまったくない。とはいえ、さすがに朝に出くわしたときなどは「おはよう」の挨拶程度はする。防犯のためもあるし。挨拶を含めたコミュニケーションのとれている集合住宅は泥棒に狙われにくいと聞いたことがある。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
フジテレビ系にて不定期放映中、ドキュメンタリーの手法を用いてフィクションをノンフィクションに見せるホラードラマの第4巻。ある街で隣人トラブルが起こっていると聞き付けたマスコミは、迷惑行為を行っている人物の家に監視カメラを仕掛けるが…
そろそろ読んでいる方は飽きてきたかもしれないが「放送禁止」の感想だ。当方の個人的覚え書きも兼ねているのでご容赦を願いたい。っていうほど定期的に読んでいただいている人はいないだろうが...
さて、結論から申し述べると、本作がシリーズ中もっとも先を読ませないエピソードであったと感じた。どのへんが、というとネタバレになってしまうから言わないけれど、不気味さ度合いも含め本作は当方お気に入りのエピソード。
結局、一巻目を鑑賞しないままにここまできてしまった。100円レンタルは10月末まで続くみたいなので、折を見て借りることにしよう。
『放送禁止3 ストーカー地獄篇』 [dvd]
ストーカーといえば、当方がまず思うのはタルコフスキーの『 ストーカー 』でありその原作であるストルガツキー兄弟の『 ストーカー 』だったりする。だから、何年前からだろう、ストーカーと言う言葉が一般的になりだしたとき、そこはかとない違和感をおぼえたものだった。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
フジテレビ系にて不定期放送中、ドキュメンタリーの手法を用いてフィクションをノンフィクションに見せるホラードラマの第3巻。フリージャーナリスト・筒井の紹介でストーカー被害に遭っている女性のインタビューをテレビ局は行うが…。
シリーズの中ではもっともフィクションっぽい仕上がりになっている。だから、ある程度は先が読めてしまう。
また、途中で謎のストーカーと対話するあたりは一瞬、緊張感をそがれてしまう要素かもしれない。とはいえ、取材していて実際にそこにいる以上、幽霊でもなければ話さざるをえないというところではある。
もちろん、全編を覆う不気味さだとかはシリーズ共通のもので、鑑賞しておいて取り立てて損はないできばえだと思う。
『放送禁止2 ある呪われた大家族』 [dvd]
某オンラインレンタルサイトで100円レンタルをやっているのを発見。送料は300円かかるが上限は7枚。そんなに一週間で観られるわけもないのでとりあえず5枚を発注した。一枚当たり160円なら、オンラインレンタルではかなりリーズナブル。そんな5枚のうちの1枚が本作というわけ。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
フジテレビ系にて不定期放送中、ドキュメンタリーの手法を用いてフィクションをノンフィクションに見せるホラードラマの第2巻。ごく普通の大家族に、怪我や事故が相次ぐという奇妙な出来事が起こる。ある写真が出来事の原因と考えられるが…。
鑑賞の順番がでたらめになっているが、続き物ではないのでよしということにしよう。新作から順番に遡ってきているんだが、本作がこれまででは一番わかりやすい。もちろん、放送禁止シリーズとわかって観ているということはあるが。
深夜に予備知識なく観ていたら、それなりに驚いてはいただろうが、やっぱり本シリーズの中では驚かされ度合いが少なかったかな。とはいえ、地味に公開されていた劇場版2の元ネタにもなっているので必見であることは間違いなし。
『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』 [dvd]
上映時間:112分
配給:2008ワーナー
スタッフ&キャスト:
[監督]アンディ・テナント
[脚本]ジョン・クラフリン他
[出演]マシュー・マコノヒー,ケイト・ハドソン,ドナルド・サザーランド,
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首都圏にいても、日程や体調そして天候などの要因で鑑賞したい映画すべてに行けるわけではなかった。なんとなく自宅に引き籠もりたくなる時期だってあるし。本作もそんな端境期のなかで劇場での鑑賞を逃してしまった作品だ。
内容(「Oricon」データベースより)
1715年に海に沈んだとされる、18世紀のスペイン王から王妃への贈り物である莫大な財宝を巡って繰り広げられるアドベンチャー・ムービー。 マシュー・マコノヒー、ケイト・ハドソン、ドナルド・サザーランドほか出演。
結論から申し述べると、120分弱をきっちり楽しませてくれる娯楽作品になっている。そもそもマシュー・マコノヒーが主役張っているし、上記のようなストーリーで最後に宝物が発見されないわけはなく、お約束の形式を踏んでいる。だから、とここでは言っておこう、安心して鑑賞できるわけだ。
もう一つ特徴的なのは、アクションアドベンチャーというよりはむしろロマンス・コメディの味付けに振られていること。ケイト・ハドソンの出演作は初めて鑑賞したが、マシュー・マコノヒーと息が合っていると感じた。
少し変わっているのは、主人公のヒーローがいろんな人物に殴り倒されるシーンが多いこと。主人公がこれだけボコボコにされる映画も珍しい。
先にも申し上げたように、基本的にはコメディ寄りに振られているのでハラハラドキドキ感は薄いが、終盤での敵味方入り乱れてのシークエンスはツボを心得てきっちりまとめ上げている。何も考えずに120分を楽しむには過不足ない作品だ。
『BONES -骨は語る- シーズン3 』 [dvd]
BONES -骨は語る- シ-ズン3 DVDコレクターズBOX (初回生産限定版)
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: DVD
以前、"So-net DVDレンタル"に入会したことはエントリしたが、それ以来ずっとこの『Bones』シリーズを借りて視聴し続けていた。8巻まで視聴して、9巻め以降がなかなか出ないと思っていたところ、今回のシーズンは15話で終了とのこと。ちょっと短めなのは米国の脚本家たちのストライキが影響したらしい。
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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
有能な女性法人類学者がFBI捜査官と協力し、“骨”のカケラから難事件を解明する新感覚クライムサスペンス第3シーズンのBOX。第1話から第15話を収録した8枚組。
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このシリーズを「マンネリ」と切って捨てるのは簡単だが、世の中には偉大なるマンネリというものがあり、それは例えば「サザエさん」だったり「水戸黄門」だったりするのであって、本シリーズはその偉大なるマンネリに王手をかけているといってもいいかもしれない。
そういう意味では、もう個々のエピソードのおもしろさとかはどうだっていいとはいえる。ある意味、どのエピソードだってそれほど驚くものはない。もちろん、その個々の水準が高いのは間違いないんだけれど。
シーズン3はブレナン博士の親族のその後やブース捜査官との距離感とかそのあたりをハーレクイン風に楽しむのが吉だろう。だって、視聴者としてはその行方の方が興味深いのは確かなんだし。
ただし、お気楽に視聴しているとある種の背負い投げと言うかそこはかとなく悲しいシーズンの終わりを向かえることだけは仄めかしておこう。気合を持って視聴すべし。
『国際諜報局』 [dvd]
●上映時間:108分
●スタッフ&キャスト:
[監督]シドニー・J・フューリー
[原作]レン・デイトン
[脚本]ビル・キャナウェイ
[出演]マイケル・ケイン,ナイジェル・グリーン,カイ・ドールマン,スー・ロイド
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パッケージをみると、発売元が"「国際諜報局 PE」DVD発売委員会"となっている。なるほど、映画制作だけではなくDVDの発売にさえ制作委員会方式が採用されたのか。DVDの発売もそれなりにリスキーになってきたのだな。
【本編収録内容】
原子物理学の権威ラドクリフ博士が誘拐される事件が発生。イギリス諜報局は陸軍軍曹のハリー・パーマーを引き抜き、事件を担当させる。調査によって、高名な科学者を誘拐しては東西両陣営のどちらかに売りさばく、謎の組織の存在が浮かびあがる。パーマーは組織との接触に成功し博士を買い戻すが...
原作は英国のスパイ小説作家レン・デイトンの処女作である「『 イプクレス・ファイル 』。その後に同じ著者の『 ベルリンの葬送 』と『 10億ドルの頭脳 』もそれぞれマイケル・ケインの主演で映画化されている。
マイケル・ケインは本作が出世作。出演時は35才くらいだったと思われるが、うん、ジュード・ロウに似ていなくもない。その後の『 アルフィー 』や『 探偵スルース 』にマイケル・ケインの役でジュード・ロウが出演しているのもわかる気がする。『 スルース 』なんて共演だもんね。
さて本作だが、原作にあるような世界を股にかけてスパイが活躍する映画というと少し違った。制作者たちは当時はやっていた「007」シリーズのアンチテーゼとして、サラリーマンスパイの群像を描く、というのがコンセプトだったよう。
したがって、破天荒なストーリーに引きずり込まれるというおもしろさではなく、淡々としたスパイの派手ではない活躍を地味に楽しむ、という感じの映画になっている。それはそれで結構なんだが、まあ、おもしろさという意味では少し物足りない。
リアリティという意味でもユルさがみられるし、特殊効果も当然のことながら古めで、今の人が鑑賞するのに価値を見いだせるか否かはマイケル・ケインを観たいだとかの積極性が必要だと思う。そういう意味では万人にお奨めできる作品ではないとはいえる。
ちなみに原作者のレン・デイトンが出演しているらしい。といっても、料理を作るシーンで手だけの出演らしい。詳しくはここを参照してください。
『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』 [dvd]
●上映時間:87分
●配給:1999K2エンタテインメント
●スタッフ&キャスト:
[監督]トーマス・ヤーン
[脚本]トーマス・ヤーン/ティル・シュヴァイガー
[出演]ティル・シュヴァイガー,ヤン・ヨーゼフ・リーファース,モーリッツ・ブライブトロイ
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どうしても気になったので『ヘブンズ・ドア』のリメイク元にあたる本作を購入・鑑賞。買ったDVDは見ない当方が珍しく即日に鑑賞することになった。
■ストーリー
余命わずかと宣告され、たまたま末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。二人は死ぬ前に海を見るために病棟を抜け出し、ベンツを盗んで人生最大の、おそらく最後の冒険へと出発した。その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことも知らずに...。道中、残り少ない命の彼らに怖いものなどなく、犯罪を繰り返し、ギャングのみならず、警察からも追われる身になるのだが...。
観賞後に思ったのは、意外にストーリーとか与える印象を『ヘブンズ・ドア』が忠実に再現していたこと。いや、薬屋襲撃シーンとかはリメイク先の方が良かったりと思ってみたり。
いちばんの違いは、本作がかなりコメディ寄りにつくられているということ。うん、意外に笑わせます。特にホテル脱出シーンあたりのユルさとかはすごくステキだ。
あと、映し出される都市や田舎道も日本に比べスタイリッシュであることが本作の強み。このあたりは江戸から東京になってしまった都市と、数百年の時を刻んでいるそれとの風格の違いなんだろうな。
当然のことながらリメイク元が一枚も二枚も上手と思うが、『ヘブンズ・ドア』も健闘していると思ったぞ。当方からすれば、どちらもそこそこにおもしろい映画と思えるようになってきた。ちなみに本作には『 ブレードランナー 』が好きな人なら見るべきある人が出演してます。
『BONES ―骨は語る―シーズン2』 [dvd]
『4400 ‐フォーティ・フォー・ハンドレッド‐ シーズン1』 [dvd]
4400 ‐フォーティ・フォー・ハンドレッド‐ シーズン1 プティスリム <期間限定商品> [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: DVD
7,8年前だかDVDが出始めのころ、パッケージにCDのハードケースを用いたものがあった。最近は見かけなくて、トールケースのパッケージがほとんどデフォルトになっている。ブックレットとか入れやすいし耐久性もあるからだろう。今回、パラマウントから「プティスリム」というフォーマットでリリースされたシリーズは、ほぼCDのハードケースのサイズの樹脂製ケースが使用されている。特にブックレットも挟まっていずコストを抑えている。中身さえ観られればいいという当方にとっては歓迎すべきものだ。
『ファイナル・デスティネーション』 [dvd]
●上映時間:97分
●配給:2000米/ギャガ=ヒューマックス
●スタッフ&キャスト:
[監督]ジェームズ・ウォン
[製作総指揮]リチャード・ブレナー,ブライアン・ウィッテン
[脚本]グレン・モーガン,ジェームズ・ウォン,ジェフリー・レディック
[出演]デヴォン・サワ,アリ・ラーター,ショーン・ウィリアム・スコット
パリへ修学旅行に向かう高校生のアレックス・ブラウニングは、飛行機が大爆発するリアルな夢を見て騒ぎを起こし、離陸前に飛行機を降ろされてしまう。巻き添えをくった友人や教師らを残して離陸した飛行機はアレックスの夢のとおり空中で爆発、運良く生き残ったかに思われた彼らにも...
『地球爆破作戦』 [dvd]
●上映時間:100分
●[配給]1970年米/CIC
●スタッフ&キャスト:
[制作]スタンレイ・チェイス
[監督]ジョセフ・サージェント
[脚本]ジェームス・ブリッジス
[出演]エリック・ブレーデン,スーザン・クラーク,ゴードン・ピンセント,ウィリアム・シャラート
ご存じの通りAmazonさんはすごいもんで、クリックしただけの履歴から当方の好みの作品をチョイスしてくれる。普段はそのチョイスを「持っています」とか「興味がありません」とか無視とかで撃破するのだが、ある日突然この作品をお奨めいただいたのだった。いや、もう、このタイトルだけで買おうと思わざるを得なくなりませんか?
さて購入後に会社の机にたまたまだよ、このDVDを置いていたんだけど、周りの人々が異様な関心を示したのがすごい。なにしろ『地球爆破作戦』だもの。気持ちはわかるよ。わかりすぎるくらいに。当方だって部下や同僚がそんなDVDを持ってたらどうかと思うもんね。
その異常な反響の大きさに、普段は買ったDVDは見たことがないと豪語する当方でさえ、さすがに鑑賞したうえで会社で感想を申し述べなければならない事態となったのであった。
『BONES ―骨は語る―シーズン1』 [dvd]
BONES ―骨は語る― DVDコレクターズBOX1 (初回生産限定版)
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: DVD
"朝、から 字幕だらけのテレビに 齧り付く夜光虫"と歌ったのは一青窈。最近のテレビ番組はなんであんなに字幕ばかりつけたがるんだろう。字幕を付けることに何かの意味があるんだろうか。当方にはとても理解できない。そのほうが視聴者がよろこぶから、ということであるなら視聴者はテレビ局から相当に舐められていると思う。当方はテレビ局には舐められたくないのでその手の番組(主にはバラエティというやつだが)は一部を除き視聴しないようにしている。
あと、無料の民放における連続もののドラマというのも視聴しなくなって久しい。視聴していないのでよくわからないのだけれど、相当な惨状を呈しているに違いないと推測している。いや、推測だし、もちろんいいものもあるはずなので言いがかりに過ぎないのはわかっている。でも、これだけバラエティ番組が増えているってことは、テレビドラマというのは相応におカネがかかるってことだと思う。おそらくテレビドラマというジャンルが、広告によって収益を得るというビジネスモデルに合致しなくなってきたということはいえるのではないんだろうか。ようするにカネがかかる割には視聴率が取れなくなってきた→予算が減る→良いものが造れなくなってくる→余計に視聴率が取れない→(以下グルグル)、というスパイラルだ。
『放送禁止6 デスリミット』 [dvd]
まだ新作扱いなのでレンタルでは1泊2日で350円。5巻目を返却するときにこの6巻目を観るかどうか迷ったけど、なにやら劇場版のあらすじで見かけたシチュエーションと被るものがあったので、本来の意味での予習はこれかな、ということで借りてみた。