A・E・ヴァン・ヴォークト:『非Aの世界』(東京創元社) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
いままさに“機械”によるゲームが始まろうとしていた。成績優秀者には政府の要職が、優勝者には金星行きの資格があたえられる。ギルバート・ゴッセンもこれに参加するべく“機械”市へやってきたが、奇妙な事実が判明する。彼はまちがった記憶を植えつけられていたのだ。自分はいったい何者なのか。ゴッセンの探索が始まるが、背後では銀河系規模の陰謀が進行していた。歴史的傑作。
ははは。わかんないや。自分の記憶とは異なる世界に放り出された男という発端も今となってはありふれたもので新鮮味はない。主人公のギルバート・ゴッセンは、行き当たりばったりに行動するばかり。「一般意味論」という学説(?)がどういうものなのかもわからないので、本書をどのように読み解いていいのかわからない。
と、文句ばかりだが、このとっちらかり感というかおもちゃ箱をひっくり返したようなめちゃくちゃさは特筆していいと思う。金星のテラフォーミングの乱暴さとか、唐突に登場する銀河連盟みたいな(いい意味での)バカさ加減は愉しめた。
今となっては古いと言わざるを得ない物語なので、読むとしたらSFのオールドファンで読み逃していた人限定か。
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