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『トータル・リコール』 [movie]

原題 Total Recall
監督 レン・ワイズマン
原作 フィリップ・K・ディック
出演 コリン・ファレル、ケイト・ベッキンセール、ジェシカ・ビール
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 118分

リメイク元である『 トータル・リコール 』の公開が1990年だから、それほど大昔というわけではない。もちろん映画館で鑑賞している。なんだか意外に暴力描写が激しくて辟易した覚えがある。内容についても、それほど感心できなかったなあ。


【あらすじ】
工場労働者のダグラス・クエイドは、退屈な日々の生活に嫌気がさし、記憶を売買するリコール社を訪れる。しかし、クエイドが新しい記憶を植えつけられようとしたとき、突然、警官隊が襲来。クエイドは思わぬ戦闘能力を発揮し、その場を逃げ切る。やがてクエイドは、現在の自分が、記憶を上書きされてダグラス・クエイドという人物になっているだけだということを知り、自分の記憶のどこまでが本物なのか、すべてを疑いながら戦いに巻き込まれていく。

さて、リメイク作品である本作だが、こりゃまたえらく突っ込みどころのある作品だといえる。前作では火星が舞台だったが、本作は地球、それも戦争後に荒廃し一部の地域にしか住めないという設定。それが現在の英国と豪州にあたるというもの。なんと、その二つの地域間がトンネルでぶち抜かれており、そこを巨大な昇降機が繋いでいるのだ。

主人公は、コロニー(現在の豪州)と呼ばれるエリアからUFB(現在の英国)に出勤(?)しているのだが、これってどうなのだろうか。人を運ぶのとモノを運ぶのとどっちがコスト低いのだろう、と思ってしまうのだ。百歩譲って、技術流出とか場所の問題とか(本作では人間が生きていけるエリアが少ないという設定)あるにせよ、そのあたりは詳しくは語られない。

いろいろと壮大な設定なのかもしれないが、そのあたりを語る手管が大雑把というか乱暴というか、それが作品全体のトーンとなってしまっている。それゆえに、単なる未来世界を舞台にしたアクション映画という印象しか与えない、といいう結果になってしまっているのだ。

その未来世界も、『 ブレードランナー 』以来のごみごみしたアジア系世界の焼き直しと思えてしまう。リメイク作品だけにオリジナリティをそういう部分で出したほうが良かったのではないか。

プロットも整理し切れておらず、結局、主人公はどっちの味方で誰のために働いているのか、ということはまるでわからない。わからないのはおまえの理解力不足だろうといわれそうだが、この手のエンタテインメント作品は、観客にちょっとでも頭を使わせてはならないと思う。

うわ、読み返すと相当に批判しているな、当方。うん、やはり人には薦められないな。無理やりいいところを見出すとすれば、ケイト・ベッキンセールの鬼嫁振りだろうか。あの鬼気迫る演技はすごい。女性は怖い、と思ってしまうのだった。


◎原作ってことでいいのかね

トータル・リコール (ディック短篇傑作選)

トータル・リコール (ディック短篇傑作選)

  • 作者: フィリップ・K・ディック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/07/05
  • メディア: 文庫


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