『エグザム』 [dvd]
原題:
Exam
出演:
ルーク・マブリー、ジミ・ミストリー、コリン・サーモン、ナタリー・コックス
監督・脚本・製作:スチュアート・ヘイゼルダイン
製作国:
2009年イギリス映画
配給:
クロックワークス
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
国籍も年齢も異なる8人の男女が、たったひとつの雇用枠を賭けて80分間の就職試験に挑むサバイバル・ブレインサスペンス。とある有力企業の最終就職試験に残った8人の受験者たち。試験監督に3つのルールを告げられ、受験者たちが問題用紙を裏返すと…
閉ざされた空間でのサスペンス、というシチュエーションが好きだ。小説でいえば、『 そして扉が閉ざされた 』が傑作。とはいえ、小説内では回想部分も含まれているから、厳密には閉ざされてばかりとは言えないかも(かなり昔に読んだから細かくは覚えていないのだが)。『 ソウ 』あたりも浴室に監禁された男たちと刑事たちの捜査が並行して描かれるから、これまた閉鎖空間のみの物語とは言えまい。
本作の凄いところは、作品内で登場人物たちの回想場面や試験会場以外の映像が一切挿入されないところだ。だから、登場人物たちの素性がほとんどわからないというのがキモ。物語が進んで行くにつれてわかってくる部分もあるのだが、こういう仕掛のサスペンスゆえにそれもはなはだあやしいといったものだ。
物語自体は、閉鎖空間でのサスペンスによくある啀み合いと暴力に収斂されていくから、月並みといってしまえばそれまでだ。また、中盤で提示される世界観が唐突と感じられるのが弱いところか。ただ、上記のような特異さゆえかわからないが、舞台劇を思わせる雰囲気は意外に上品だったりするところが良い。最後に提示されるオチも当方には腑に落ちてしまった。B級サスペンス大好きな人にはかなりお奨めできると思う。
タグ:【洋画】サスペンス