SSブログ

『ウディ・アレンの夢と犯罪』 [dvd]

ウディ・アレンの夢と犯罪 [DVD]

ウディ・アレンの夢と犯罪 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • メディア: DVD

原題: Cassandra's Dream
監督・脚本: ウッディ・アレン
音楽: フィリップ・グラス
出演:ユアン・マクレガー、コリン・ファレル、ヘイリー・アトウェル、サリー・ホーキンス、トム・ウィルキンソン、フィリップ・デイビス、ジョン・ベンフィールド、クレア・ヒギンズ
製作国: 2007年イギリス映画
上映時間: 108分
配給: アルバトロス・フィルム

■■■
ご覧のように、原題は"Cassandra's Dream"。映画冒頭でイアン(ユアン・マクレガー)とテリー(コリン・ファレル)が手に入れた小型クルーザに名付けた船名だ。


カッサンドラー(希:Κασσάνδρα)は、ギリシア神話に登場するイーリオス(トロイア)の王女。悲劇の予言者として知られる。日本語では長母音を省略してカサンドラ、カッサンドラと表記されることが多い。(中略)
イタリア語では日常の会話で「カッサンドラー」で「不吉、破局」といった意味を持たせて使う(Wikipediaより)。
 

内容(「Oricon」データベースより)
「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」に続く、ウディ・アレン監督・脚本のロンドン3部作最終章。労働階級の人々が暮らすロンドン南部の街を舞台に、人生の不条理を描く。きらびやかなビジネスの世界で成功を夢見るイアンと、酒とギャンブルと恋人と過ごす日々にそれなりの充足感を得ているテリー。そんな兄弟が“カサンドラズ・ドリーム号”と名付けた小型クルーザーを購入したことから彼らの人生が徐々にうねり出す…


マッチポイント 』でもそうだったが、ウディ・アレンが人間のいやらしさを描く手際は最高の腕前なのではないか。ちょっとしたきっかけで転落していく人間を描く映画はごまんとあり、ある意味では本作もそのプロットを丁寧になぞっていくだけのものだ。ユニークなのは、描かれるのが人間の悪意ではなく、いやらしさということ。あきらかに鑑賞者の感情移入を拒んでいる。

少しばかり夢想家で見栄っ張りの兄と、自動車修理工として地道に働きながらもギャンブルと酒に頼りがちな弟。どこにでもいそうな平凡な兄弟が、窮地から脱するために伯父から持ちかけられたある依頼を実行する…

イアンとテリーをはじめとする登場人物たちの他、伯父やイアンの恋人・兄弟の両親もまた監督のシニカルな視線でタダのいい人には描かれない。そんな登場人物たちのちょっとした自分勝手さが最終的には悲劇を生んでしまうという皮肉な物語。エンタテインメント性は薄いし、いわゆる芸術映画とも言えないのだが、何か不思議と味わい深い作品だ。

そういえば、コリン・ファレルを観るのは『 ニュー・ワールド 』以来。でも、出演は『ニュー・ワールド』(2005)→『 マイアミ・バイス 』(2006)→本作(2007)の順番なのだね。ずいぶんと時間が経ってから日本では公開されたのだな。最近はいろいろとお騒がせだから主演作が少ないのだろうか。それにしても、ダメな兄弟を演じるにはユアン・マクレガーとコリン・ファレルではかっこよすぎたか。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。