2010年9月の読書メーター [a day in the life]
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2324ページ
八月の魔法使い
読了日:09月29日 著者:石持 浅海
仁侠スタッフサービス (集英社文庫)
読了日:09月24日 著者:西村 健
人間競馬 悪魔のギャンブル (角川ホラー文庫)
読了日:09月19日 著者:山田 正紀
傷を愛せるか
読了日:09月13日 著者:宮地 尚子
マーケティングはつまらない?
読了日:09月13日 著者:関橋 英作
デフレ反転の成長戦略
読了日:09月12日 著者:山田 久
長弓戯画 (うさ・かめ事件簿) (ミステリ・フロンティア)
読了日:09月05日 著者:滝田 務雄
オーディンの鴉
読了日:09月03日 著者:福田 和代
読書メーター
バッファロー:WHR-HP-GNを買ってきた [gadget]
BUFFALO エントリーモデル 無線LANルーター Air Station 単体 WHR-HP-GN
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土日は帰京していてエントリできなかった。その帰京の数日前に、配偶者から「ネットがつながらなくなった」というメールを受けていたこともある。おそらく再起動すれば直るだろうとその旨を返信したのだが、どうやらうまくない様子。自宅に戻ると無線LANルータが、ACアダプタを刺しているにも関わらず起動していない。なるほど、この夏の暑さじゃ壊れる罠。
帰京中にネットなしの生活は耐えられないので、やむなくルータを買いに出かける。いまさら有線というわけにもいかない。折り悪く自宅の契約更新でなにかと物いりだったので、最安値圏の無線LAN親機を狙う。今回壊れたのが哀王の商品だったのでパスしたい。コ○ガやプ○ネッ○ス商品も地雷が多いイメージがあるのでパス。で、バッファローの商品を錦糸町のヨ○バ○で購入、というか全額ポイントでゲットしたのだった。
購入当日は実家で呑んだり、その後はなじみのお店で呑んだりとヘロヘロだったが、うちに帰ってとりあえずはセッティング。何回か接続を試すがやはり酔っぱらいにはムリだったようだ。ところが、翌日曜日に持ち越すもなかなか接続できない。若干の二日酔いもあったかもしれないが。
それ以前に、まず驚いたのはそのサイズ。当方はわりと初期からの無線LANユーザーで、当時の機器が3.5インチ外付けHDD程度の大きさだったのに対し、本機はチポータブル光学ドライブ並みのサイズだ(写真を撮らなかった…orz)。 デザインもずいぶんとスタイリッシュになって、当時のマンボウのような外観からずいぶんと様変わりしている。
さて、Windowsマシンには比較的簡単に導入できたが、Macに一苦労。まずはCD-ROMがマウントできない。仕方がないのでWindowsマシンからUSBメモリへCD-ROMの内容をコピーしMacにマウントさせるが、どうも導入ソフトの使い勝手がよくわからない。いつものとおり説明書を読まずにやったので、そのせいではあるんだが。
紆余曲折を経てやっとこさ開通。結局、この手のエントリ層向けの商品はわかりづらい設定をさせないということがポイントのようだ。ソフトを導入し機器のスイッチを押せば勝手に開通、という思想。Amazonのカスタマーレビューをみると、導入の簡単さが評判なのがその証左だろう。半可通の当方にはそちらのほうがわかりにくかったりする。ブラウザ上から設定させてくれればいいのに、パラメータをいじくらせてくれない設定画面。いや、もちろんこれはイチャモンだから、導入を予定している人は気にしないで欲しい。
思えば、無線LANでつながる機器は昔に比べ多岐にわたるようになった。PCやPDAだけだったときとは異なり、いまや広範に出回っているiPhoneやらiPad、据え置き/ポータブルゲーム機器など、(言葉が悪くて申し訳ないが)それらを使うシロートさんを相手にせざるを得なくなったわけだ。だから、メーカーサイドは少しでも簡単接続を謳わなければならないのだね。
それでも、サポートセンターにはジャンジャン電話が鳴っているに違いない。メーカーサイドの苦労が偲ばれる。え? 使い勝手? 半日も使っていないのでよくわからないよ。もちろん、配偶者が使うぶんには問題ない商品であるとは言っておこう。
西村健:『任侠スタッフサービス』(集英社) [book]
著者の作品は初読。というか、名前さえも知らなかった。にもかかわらず手に取ったのは、これまた当方の愛読するブログ"読書記録, et.al"に紹介されていたから。これを読むと、自分が読書家なんて思っていたのは浅はかと言うくらいの読書量の人で、世の中にはこんな人もいるのかと嘆息してしまう。
内容(「BOOK」データベースより)
旅行代理店の臨時求人に応募してきた派遣会社「倶利迦羅紋々スタッフサービス」。信じられない好条件に代理店社長の飯田は即決するが、正体は何とヤクザのフロント企業。手を変え品を変え7人の男女を巻き込んだ倶利迦羅社の目的は一体? 戦々恐々とする面々に警察も加わり、福岡を舞台に三つどもえのコン・ゲームが始まった。怒涛のノンストップミステリー、文庫オリジナル。
本書は二部で構成されていて、雑誌に連作のかたちで発表された短編群と、それを受けての文庫書き下ろし部分というもの。おもしろかったのは特に短編部分だ。登場するのはほとんどが市井の一般人。彼らが個性豊かに描かれていていることや、ヤクザに取り込まれていくまでのプロセスがスリリング且つユーモラスであることなど、語り口は快調だ。
特に良いのは登場人物たちが話す博多弁。大阪弁や京都弁は読んだり聞いたりすることは多いし、最近では『血の冠』が弘前訛りだったが、博多弁ははじめて。出張で何回か博多に行ったことはあるが、こんな口調なんだな。というくらい印象的なものになっている。
そして、後半部で描かれる警察官たちの振る舞いもまた興味深い。キャリアとノンキャリアの攻防や出世競争などが、労働省の官僚であった著者ならではのシニカルな視線で描写される。その他、ヤクザの世界のトリヴィアなども興味深い。そんな世界を描きながらも、一貫して飄々とした筆致が好もしく思える。
こんなにやさしいヤクザがいるのか、とか登場人物や読者に仕掛けられた謎にパンチが欠けるきらいはあるが、娯楽小説として充分に愉しめる内容だ。十年後まで読み継がれる小説ではないにせよ、良い意味でkill timeできる小説としてお奨めすることができる。
山田正紀:『人間競馬 悪魔のギャンブル』(角川書店) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
新宿副都心。ビルとビルの隙間にわずかな時間立ち現れる古い城郭。空の高みで人間競馬に興じるガーゴイルたち。下界では、三人の男と一人の女がパドックを周回する競走馬さながらに互いを尾行しあっている。タクシー運転手、保険外交員の女、少年、刑事。四人が四人ともいつ、どこで相手を殺すべきか、冷酷に計算を働かせている。殺らなければ自分が破滅するだけだ。最後に生き残るのは誰だ? デスゲーム×ダークファンタジー。
さすが、B級サスペンスを書かせたら超一流の著者ならでは、という作品。そして、感想を申し述べるのに困る作品ではある。30年近く著者のファンをやっているから、どんな作品でも愉しめてしまうのだが、生真面目な人が読んだら「なんのこっちゃ」となるだろうということも推測できてしまうのだ。
そもそも、梗概にあるガーゴイルと言う存在の登場が些か唐突すぎる。当方は、角川ホラー文庫というブランドに無理矢理当てはめるために挿入された設定と想像している。そんな設定がなくとも、奇妙な味の犯罪サスペンスとして良くできていると思うから。
登場する四人の男女はいずれもがちょっとした特異な能力を持っていて、それがこれまでの各自の生業を助けてきた。その能力自体は、超自然的なものというより特殊な技能といった程度に描かれているから、ホラーでなくても犯罪サスペンスとして成立するプロットとは言える。あ、タクシー運転手のだけは別か。あの能力なら当方も欲しい…。
閑話休題。そんな無関係だった四人が、奇妙な偶然から殺し合わなければならないように追いつめられる。この偶然はかなり強引なものだから、そう考えると人間以外のものの操作という設定をインポートせざるを得なかったのかもしれない。
冒頭に述べたB級サスペンス的味わいは、上記のような特異な設定や奇妙な味の物語という側面に加え、あちこちにばらまかれた伏線が丁寧に回収されるところにもある。この手際の巧さは著者ならではのものだ。その痛快さが、一方でお約束事めいた作り物の雰囲気を醸し出している結果、当方にはB級と認識されるのである(←わかりにくい)。ようするに、ケレン味のあるある小説ってことですね。だから、お金と暇とB級怪作を読んでしまっても怒らない人だけにお奨めしせざるを得ない。
『月に囚われた男』 [dvd]
原題: Moon
監督・原案: ダンカン・ジョーンズ
脚本: ネイサン・パーカー
美術: トニー・ノブル
音楽: クリント・マンセル
出演:サム・ロックウェル、ケビン・スペイシー、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラーリオ、ベネディクト・ウォン、マット・ベリー、マルコム・スチュワート
製作国: 2009年イギリス映画
上映時間: 97分
配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
内容紹介
近未来──地球の資源は底をついた。
サムはエネルギー源を地球へ送るために、ルナー・インダストリーズ社よりたった一人で月に派遣されていた。
毎日決まった時間に起き、ランニングマシーンに乗り、ヘリウム3を採掘するだけの日々。話し相手はコンピューターのガーティだけ。地球との交信は衛星の故障によりできず、録音したメッセージをやり取りするのみ…
3年という契約期間を淡々とこなし、やっと、地球に戻れる日が2週間後に迫っていたのだが―――!?
4月に劇場公開していた作品だから、半年弱でDVD化されるのだな。本作も東京にいたら間違いなく劇場に行っていたのだけどね。とはいえ、公開劇場は全国的にも少なく、多くの場合、そんな作品は地雷だったりする。さて期待と不安が綯い交ぜの本作はどうだったのか。結論から申し上げると、期待以上の佳作だったのでうれしい限り。導入から引き込まれ、97分の上映時間を飽かせない作品となっている。
事前に得ていた情報の通り、『 2001年宇宙の旅 』など、あの頃のSF映画を思わせる造型や映像が懐かし新しい。最近のSF映画はやたらとリアルなCGを使っていてかえって嘘くさい映像になっていることが多いが、本作ではミニチュアっぽい月面走行車の映像表現がやけにリアルに思えてしまったりする。もちろん、そのへんは個人的な感覚だけど。そういえば、ケヴィン・スペイシーが声を演じるロボットのガーティとか、『 サイレント・ランニング 』の影響もあったりするのかな。
低予算の作品だから、舞台は月面基地の内部が主で、かつ登場人物も少ないから舞台劇の趣があり、それをサム・ロックウェルが破綻なく演技している。『 アイアンマン2 』では、イヤなやつを演じていたが、本作では月に3年も暮し地球への望郷の念止みがたき青年役を好演。と、青年と書いたが、当方と同学年なんだなこの人…orz
コアとなるアイデアは、フィリップ・K・ディックの諸作品や、それを原作とするこの作品やこの作品などと似たようなものだが、左記の作品が「猜疑心」からくるサスペンスに重点を置いているのに対し、本作はもう少し人間味のあるもの悲しい物語になっている。特に終盤で主人公たちが妻との出会いを語る会話にはホロンときてしまった。というわけで、単身赴任で妻子と離ればなれで暮らしているお父さんたちにお奨めしたい作品、と当方は思った次第。
SHARP:E05SHがやってきた [gadget]
2002年からケータイのキャリアとしてauとおつきあいしている。それ以前はdocomoを使っていたのだが、どういう理由からだったのかね、よくは覚えていないが乗り換えたのだった。爾来、使用してきた端末を以下に掲載しておこう。
ご覧になればおわかりのように、すべてストレート端末である。そう、当方は折り畳みのケータイを好まない少数派の一人なのだ。あのパカパカやる動作とか、ヘンにカタマリ感があったりすることとか、結局どれも一緒じゃんという、あの感じが好もしくないと思っている。
ところが、である。auの近年のラインナップをみると見事なまでにストレート端末が絶滅しているではないか。スライド式はどうなの? ということはあるだろうが、あれも違和感があるのではないかという恐れがあり手が出せない。
どうして絶滅といういう事態になったのかね。たとえば、NOKIAが出しているような廉価で機能はたいしたことがなくとも、シンプルで落ち着いたデザインのストレート端末が販売されれば一定数のニーズはあると思うのだが。高機能を追い求めている人ばかりではないぞ、と言いたい。
当方が使用しているINFOBAR2は、auショップの人が驚くぐらいきれいに使っているし、バッテリも過充電しないよう細心の注意を払ってきた。しかし、相手は機械である。いつなんどき故障するかわからないし、最悪使用できなくなった場合に折り畳み端末を使用するのはできるだけ避けたかったのだ。
さて、前置きが長くなってしまったが、そんなわけでE05SHである。auとのおつきあいを続けながら、今後出るかもしれない(見込み薄だが)ストレート端末を待ちつつ、他とは少し違ったケータイを持ちたいという欲求の結果がコレで、いわゆる白ロムを購入したのだった。それではいつものように開梱の儀。
■いつものauの箱。逆さに置いて撮しちゃったよ…orz | ■蓋を開けると端末が鎮座している |
■同梱はマニュアル、ドライバCD、そしてこの黒いのは何かね? 例によってマニュアルは読まないので現時点では不明 |
実は開梱してからドタバタ騒ぎが始まるのだが、それは次回のインプレ編とともにご案内することにしよう。
市内の施設を巡ってみた [a day in the life]
昨日は、男鹿半島までクルマで行ったのだが、レンタカーは日曜のお昼まで借りていた。なので「動物園にでも行くか!」と張り切っていたのだが、予報通りの雨で断念。しからば、とこれまで気になっていたが行っていなかった施設を、お散歩ドライブで巡ってみることにした。
■以前から気になっていた県立博物館に赴く | ■入り口の背後には女潟湿原が拡がる |
■企画展示は「食われてたまるか!」と題したもの | ■企画展示チラシ。擬態・毒で身を守る・たくさん産むなどの動物や魚類や昆虫、そして植物などを説明付きで展示していた。生き延びるってたいへんなのだ |
うーん、非常にきれい且つ静かな環境の良い施設なのに交通の便が悪い。実質的にクルマでしか行けないのだ。タダで入れるのはコストパフォーマンスが高いと言えるが、ならば有料にしてでもさらに愉快な企画展をキボンヌ。
そして、これも以前から気になっていたセリオン・タワーへと向かう。先週ご紹介した南極観測船しらせがやってきたのもその近辺。最近、道の駅になったのだった。
■高さ96メートルはおそらく市内で最も高い建物 | ■併設されるセリオンリスタはソロ・シップを思い起こさせる(知っている人は知っている…) |
■最上階から観る眺め | ■貨物基地だろうか |
そんなわけで、華はないが市内の気になっていた施設を拾えたので、これはこれで良い休日だったということにしておこう。
■今回のレンタカーはレガシィB4。前日の男鹿半島では、アップダウンの激しい路をモリモリと湧き上がる厚いトルクで走破。当然のことながら高速安定性も良好で、久しぶりに乗ると頼もしい一台。しかーし、給油すると燃費はリッター11キロでした…orz |
クロヌタウナギを食べてきた [a day in the life]
異常な暑さが懐かしく感じられるほど朝夕の涼しさが爽やかな毎日、みな様いかがお過ごしでしょうか。当方は、冬になると運転が怖くなるから、今のうちにいろいろと行っておこうと激しく移動している今日この頃でございます。
さて、クロヌタウナギである。wikipedeiaには以下のような記述がある。
ヌタウナギは脊椎動物として最も原始的な一群であり、厳密な意味での魚類ではない。便宜上、広義には魚類として扱われる
とはいえ、やはり百聞は一見にしかず。クロヌタウナギとは下掲のような姿をしたもの。
リンク先の記事によれば
最古の脊椎動物で、新潟大や北里大などの研究チームが脳下垂体から生殖腺刺激ホルモン※が分泌されることを確認した。
※脊椎動物で、脳下垂体前葉などから分泌され、生殖腺の働きを支配するホルモン。女性では卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン、男性では精子形成ホルモンなどがある。性腺刺激ホルモン(注は当方)。
不惑を過ぎて性腺刺激ホルモンを分泌してもしょうがないのだが、Googleで画像検索するとこれまた下掲のような写真に遭遇したので、こりゃ食わなきゃなんめえ、と使命感が湧き上がってきたのであった。
■映画『
デューン 砂の惑星
』における砂虫を彷彿とさせる姿形。ちょいグロなのでモザイクをかけました。興味のある方はクリックすれば拡大画像が別窓で表示されますが、グロ注意です ※なお、上記画像はtakumyさんの「常磐の烏賊:くろぬたうなぎ」から拝借しております。不都合ありましたらご指摘ください。 |
さて、そんなクロヌタウナギを食べさせてくれるのはどこかというと、男鹿半島にある施設なのだった。
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■その施設とは、男鹿水族館、通称"GAO"だ | ■巨大水槽での魚の乱舞 |
■鰊の群れは動きが速すぎてブレブレ | ■イワナ(ヤマメ?)はのんびりとたゆたう |
■鰰(ハタハタと読むのだよ)の群れ。昔は捨てるほど獲れたらしい | ■ピラニアも速すぎてブレブレ |
■ウナギイヌ、じゃなくてデンキウナギ | |
この水族館の最大の人気者と言えば、シロクマの豪太クンだ。
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■ラッコかよ! とツッコミをいれたいが、下手をすると400キロの巨体に骨まで砕かれるのでやめておくことにした | ■顔だけ出して泳ぐ |
■泳ぐ動物の顔は良くできている | ■猫の肉球の何個分くらいかね? |
■趣味のひとつに、"窓から日本海を眺める"とある | ■全身像 |
■どことなく不機嫌そうだ |
そんなこんなで同館のレストラン"フルット"が14時30分でラストオーダーとのアナウンスがあり、急いで赴くことにする。そもそもが、秋期企画展『食べコレ!旬華秋冬〜食べてみてよ、コレクション!!旬の華さく秋と冬〜』とのコラボ企画。肝心の秋期企画展は観なかった…
クロヌタウナギ、正直に言って、不味くはないもののおいしいとも思えなかった。館外に出店していた屋台のイベリコ豚バーガーも食べたかったが、胃が小さい当方にはこれ以上は無理だった。11月28日まで提供されているようなので、興味のある方は、一応・どうぞ、と言っておこう。
『東のエデン 劇場版1,2』 [dvd]
東のエデン 劇場版I The King of Eden DVDスタンダード・エディション
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東のエデン 劇場版II Paradise Lost DVDスタンダード・エディション 【初回限定生産】
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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
【Ⅰ】
神山健治監督が放つ人気TVシリーズの続編となる劇場版第1弾。“セレソン”のひとりに選ばれた滝沢朗は、60発のミサイル事件を機に姿を消してしまう。ノブレス携帯に残されたメッセージを手掛かりに、咲はN.Y.へと旅立つ。
【Ⅱ】
N.Y.から帰国した滝沢朗は“東のエデン”のメンバーと合流し、セレソンゲームに決着をつけるために内閣総理大臣の別邸へ向かう。一方、咲は滝沢に関するある秘密を掴むが…
TVシリーズのDVDが愉しめたので劇場版も視聴。Ⅰを観賞後の感想は、「劇場で観なくてよかった」というもの。劇場まで観に行って、あの終わり方はないだろう。当方としては、映画は一編でひとつの完結した物語を語るべきだと思うから。
昔で言えば『 バック・トゥ・ザ・フューチャー 2 』だとか、最近では『バイオハザードⅣ』とか、続編ありきの映画でさえエピソードは一応、その映画内で片づけられる。ところが本作では、1と2を続けて鑑賞してはじめて一編の物語になる。これは映画というメディアで使用されるべき構成ではない。このことだけで、正直なところイヤになってしまった。予算なのか、制作時間の制限のためなのか。それとも興行収入のためなのか。商売のためなら何でもして良いというのはおかしいと思うぞ。
まあ、上記はいちゃもんなのでそこには目を瞑ったとしても、内容的にも当方にはよくわからない部分が多かった。「一緒に旅した場所」ということ場を手がかりに咲はN.Yに旅立つのだが、TVシリーズにそんな伏線ってあったけか? 滝沢はなぜ再度、自らの記憶を消したのか? 総理大臣の私生児ということと「この国の王様になる」ということは、なにか関係あるのか? などなど…
いや、TVシリーズの細部を忘れたのかもしれないけど、それほど記憶に残らない伏線は伏線と言えないと思うぞ。その他、日本の公安警察が非常に間抜けだったりとか、細部のリアリティにそれらしさがないためサスペンスに物足りなさを覚える。
TVシリーズはほどほどに愉しめたのだが。結局、劇場版は「何がしたかったの?」と問いかけざるをえない残念な仕上り。
宮地尚子:『傷を愛せるか』(大月書店) [book]
著者は一橋大学大学院社会学研究科の教授。といっても、社会学者というわけではなく京都府立医科大を卒業した医学博士で精神科医でもある。研究分野のひとつとして「医療人類学」があり、仕事以外のことならいろんなことを知っている当方でさえ初めて聞く学問だった。
そんな著者の名前を知ったのは今年の三月に朝日新聞の夕刊に掲載された「人の価値が下がる時代 張りつく薄い寂しさ」というタイトルの寄稿からだ。確か、asahi.comで読んだように思うが、当該記事はいまは見あたらない。ここでは全文が転載されているblogを紹介しておこう。
そんな記事を読んで感じたのは、著者が言うことと少しズレているのかもしれないが、なんだか世間は昔よりも了見が狭く窮屈で、無駄とも思える緻密さ・厳密さを求めるようになってきているのではないか、ということ。よーするに、おおらかさがなくなってきていて、それを実感している人も多いと推測する。心を病む人、そして自ら死を選ぶ人が減らないのも宜なるかな、だ。
地球上にはわけもなく命を奪われてしまう紛争地域に住んだり飢餓に苦しむ人々もいるというのに、安全も水もタダに近い我が国は、有史以来初めて実現された理想郷に近いものといっても良いはずだ。けれど、そんなことはないと思っている自分もいる。実際、年間で3万人もの人が自殺しているのだし。平和でありながら視えない戦争を闘っているこの国。うむ、少なくとも理想郷ではないな。
内容(「BOOK」データベースより)
心は震えつづける。それでも、人は生きていく。旅先で、臨床現場で、心の波打ち際にたたずむ。トラウマと向き合う精神科医のエッセイ集。
さて、本書はそんな経緯で知った著者のエッセイ集だ。第一部にあたる「内なる海、内なる空」は主として書き下ろし、第二部の「クロスする感性」は「週刊医学界新聞」(という新聞があるんだね)で連載された米国滞在記、そして書名となっている書き下ろしの「傷を愛せるか」は第三部の「傷のある風景」にアサインされている。
当方は第一部の「内なる海、内なる空」のパートが最も好みだ。ほとんど私小説と言っていいのではないか。簡潔で乾いた文章から仄見えるのは、諦めと希望が同居しているような心象風景だ。特に「予言・約束・夢」は著者のやさしさを垣間見させてくれる名文。
第二部は、良い意味で普通のエッセイ集(いささか暗さはあるが)。表題作は、ベトナム戦没者記念碑にまつわる著者の思いを記述したもので、時代の違いかね、当方には消化しかねるものだった。よく言えばバラエティ豊かなエッセイ集といえるだろう。
当方としては、第一部を読むだけでも買いなのだが、170頁と少しのエッセイ集に2,100円はどうも、という方が多いに違いないともいえる。ここでは、冒頭でご紹介した記事を読んで興味を持たれた方には是非、と言っておこう。
関橋英作:『マーケティングはつまらない?』(日経BP社) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ、マーケティングはROIなどの数字しか考えないの? なぜ、芸術をマーケティングで考えちゃいけないの? なぜ、消費はお金だけなの? なぜ、マーケティングは心を大事にしないの? 常識を捨てよう。「つまらない」は「おもしろい」。キットカット、ハーゲンダッツ、デビアスを手がけたブランド再生請負人がたどり着いた日本流マーケティング。
日経ビジネスONLINEの連載を基にした一冊。当方は読んでいなかったが、日経ビジネス本誌の書評で知り購入。そもそもマーケティングってなに? と訊かれたら答えられないのだから、どうなることやらと思いながら読み進める。
基本的には軽めのエッセイ集で、マーケティングを学ぶという目的で読むには適当ではないと思う。マーケティングにまつわるあれやこれやが自由に語られているというものだ。だから、一編ごとに扱われている題材に興味がないと、ピンと来ないということになってしまうかも。
当方が興味深く読んだのは第八章の「小さなお店はおもしろい!」だった。当地でも石田珈琲店という小さくてちょっとおもしろい喫茶店があったりして、小さなお店というのは意外におもしろいのではないかと思い始めていたから。
うん、そんなに肩肘張って読むのではなくテケトーに力を抜いて自分の気に入ったところを拾い読み、みたいのでもいいのではないか、そんな一冊。
山田久:『デフレ反転の成長戦略』(東洋経済新報社) [book]
いや、恥ずかしながら今年の4月には給料が上がってしまったのである。些少なのかどうだかはわからないが、当方としては過分にいただきすぎているな、と思うことはある。もちろん返納する気はない。で、当方の勤務する会社は不惑にして年齢給はストップしてしまうので、いわゆる職能給が上がったということになる。うーん、仕事における能力とはなんなのだろう? 賃金が上がるとはどういうことなのだろう? そんな疑問があったので本書を手に取る。
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ物価と賃金が下がり続けるのか? なぜ金融政策が効かないのか? 日本経済を破綻に追い込みかねない「負の連鎖」をミクロ・マクロの両面から鋭く分析。突破のカギとなる“企業サイドの戦略シフト”と“政府の政策大転換”を訴える話題の書。
そんな疑問に回答がある書物とは思っていなかったので、その件についてはまた違った読書をしてみよう。本書は梗概にある「なぜ物価と賃金が下がり続けるのか」という謎を解き明かし、その対策について論考するというもの。金融機関勤務を経てシンクタンクへ出向という経歴の著者らしく、分析は基本的に定量的なものである。
冒頭の謎については、比較的はやい段階で回答が示される。すなわち、「事業転換よりもコスト削減を優先するという、日本企業の行動様式が大きく影響してきた」というもの。なるほど。平たく言ってしまえば、既得権益を守るためには皆で痛みを分かち合おう、というところか。事業転換にはどうしたって関わる人々の痛みが伴うのであり、そこで余剰とされた人員を吸収するさらに他の新規事業がない以上、コスト削減のための賃金の下落は不可避であったというのが当方の解釈。
また、著者は2000年代前半の労働分配率の下落には労働組合の「賃金よりも雇用」というスタンスに一因を挙げている。さらにその構造上、「基本的には正社員の組合」であらざるをえないことが、今日の正規・非正規社員の賃金の乖離の遠因としているように読める。このあたりの限界については納得できる。とはいうものの当時、組合活動に関わっていた当方としては、現場としてそれ以外のスタンスは考えられなかったことも言っておこう。その辺は感情論になってしまうので詳述は避けておく。
そして、政府の「超低金利政策の継続」が「いわゆる「ゾンビ企業」の存続を許したことである。その結果、健全な企業も競争に勝利した果実としての価格上昇という恩恵を受けることができず、絶え間ないコスト削減競争を余儀なくされている」という記述については、自己矛盾ではあるのだが納得できてしまう。人はやっぱり総論賛成・各論反対に陥りがちだってことだ。
以上が非常に乱暴な第2章までの当方が読み取ったこと。第3章以降は国際比較による事例の研究や、そこから導き出される政策や経営戦略の転換に関する著者の提言が記述されるというもの。国際比較については、ネコとヤマネコとチーターを比較してどうなるんじゃ、というのが当方の正直な感想(日と米、そして独との比較)。三者の歴史的・文化的・経済的・政治的な違いがありすぎるのでは、とも思うが、確かに良いところは取り込んでいかねばということだろう。
最終的に導き出される著者のヴィジョンは、当方には些か理想論に過ぎやしないかとも思える。もちろん、理想があっての未来であることは承知しているが、タイムリミットを2010年と区切ってのものとしてはなかなかハードルが高い。著者の言う政策の転換ができるか否かは、それぞれの危機意識次第だと思う。結局、先延ばしにしてしまうのだろうか。
なんとなく文句が多い感想だが、それだけ刺激的な作品であることには違いない。前半部の数式が並んだりする硬派な部分は読み飛ばしてしまったが、きちんと読み込めばさらに得るところが多いと思う。いずれじっくり再読したい。
『ウディ・アレンの夢と犯罪』 [dvd]
原題:
Cassandra's Dream
監督・脚本:
ウッディ・アレン
音楽:
フィリップ・グラス
出演:ユアン・マクレガー、コリン・ファレル、ヘイリー・アトウェル、サリー・ホーキンス、トム・ウィルキンソン、フィリップ・デイビス、ジョン・ベンフィールド、クレア・ヒギンズ
製作国:
2007年イギリス映画
上映時間:
108分
配給:
アルバトロス・フィルム
■■■
ご覧のように、原題は"Cassandra's Dream"。映画冒頭でイアン(ユアン・マクレガー)とテリー(コリン・ファレル)が手に入れた小型クルーザに名付けた船名だ。
カッサンドラー(希:Κασσάνδρα)は、ギリシア神話に登場するイーリオス(トロイア)の王女。悲劇の予言者として知られる。日本語では長母音を省略してカサンドラ、カッサンドラと表記されることが多い。(中略)
イタリア語では日常の会話で「カッサンドラー」で「不吉、破局」といった意味を持たせて使う(Wikipediaより)。
内容(「Oricon」データベースより)
「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」に続く、ウディ・アレン監督・脚本のロンドン3部作最終章。労働階級の人々が暮らすロンドン南部の街を舞台に、人生の不条理を描く。きらびやかなビジネスの世界で成功を夢見るイアンと、酒とギャンブルと恋人と過ごす日々にそれなりの充足感を得ているテリー。そんな兄弟が“カサンドラズ・ドリーム号”と名付けた小型クルーザーを購入したことから彼らの人生が徐々にうねり出す…
『 マッチポイント 』でもそうだったが、ウディ・アレンが人間のいやらしさを描く手際は最高の腕前なのではないか。ちょっとしたきっかけで転落していく人間を描く映画はごまんとあり、ある意味では本作もそのプロットを丁寧になぞっていくだけのものだ。ユニークなのは、描かれるのが人間の悪意ではなく、いやらしさということ。あきらかに鑑賞者の感情移入を拒んでいる。
少しばかり夢想家で見栄っ張りの兄と、自動車修理工として地道に働きながらもギャンブルと酒に頼りがちな弟。どこにでもいそうな平凡な兄弟が、窮地から脱するために伯父から持ちかけられたある依頼を実行する…
イアンとテリーをはじめとする登場人物たちの他、伯父やイアンの恋人・兄弟の両親もまた監督のシニカルな視線でタダのいい人には描かれない。そんな登場人物たちのちょっとした自分勝手さが最終的には悲劇を生んでしまうという皮肉な物語。エンタテインメント性は薄いし、いわゆる芸術映画とも言えないのだが、何か不思議と味わい深い作品だ。
そういえば、コリン・ファレルを観るのは『 ニュー・ワールド 』以来。でも、出演は『ニュー・ワールド』(2005)→『 マイアミ・バイス 』(2006)→本作(2007)の順番なのだね。ずいぶんと時間が経ってから日本では公開されたのだな。最近はいろいろとお騒がせだから主演作が少ないのだろうか。それにしても、ダメな兄弟を演じるにはユアン・マクレガーとコリン・ファレルではかっこよすぎたか。
南極観測船しらせを見学してきた [a day in the life]
白瀬日本南極探検隊100周年記念プロジェクトの一環として、同船がやってきたので見学することにした。もちろん、しらせ自体にも興味はあったが、同日にあのブルーインパルスの展示飛行(曲技飛行のことをこういうのだね)が予定されていたので、PENTAX K-mに望遠レンズを取り付け万全の装備でwktkしていたのであった。
天気予報は注視していたが、当日は雨。風も相当にひどく、こりゃあかんかもなあ、と思いながら電車とシャトルバスを乗り継ぎながら会場へ赴く。
■会場は土崎駅からシャトルバスが出ていたのでそれに乗る。着いた場所からさらにバスを乗り継ぎ会場へ | ■開場は9時からだったが、雨がひどいにもかかわらず、すでに1時間近くの待ちが入る盛況ぶり |
■ヘリ甲板の格納庫。展示やグッズの即売会などが開催 | ■大陸だから石もあるんだな |
■南極の氷です | ■即売会では乗組員の方が販売 |
■防寒服。それほど生地は厚くない | ■船内火災に備えての耐火服 |
■スノーモビルがかっこいい。YAMAHAのプロダクツ | ■あれほど上にものをのせるなと… |
■救命ボートは、カプセル型でないと寒くて死んでしまうね | ■艦橋へ上がる際の外の光景。高いし、人が並びすぎ |
■コンパスだろうか | ■機器類は何に使うのかわからない |
■これまた当方には意味不明の機器 | ■レーダーくらいならわかる |
■操舵席。かっこいい | ■操舵席を正面から |
■艦橋の立ち入り禁止区域をパシャリ | ■海図プロッタ |
■艦橋から見下ろす船首 | ■食堂ではなく会議室らしい |
■新造艦でも船内には神棚が | ■船室は二人一組か。狭そうではある |
■船内の研究室。『 遊星からの物体X』がいそうだ | ■下船して、昼飯代わりに男鹿のやきそば。しょっつる風味ですこし塩辛いがビールには合う |
それにしても酷い雨と風。当然のことながらブルーインパルスの曲技飛行は中止でorz それでも、現役しらせの見学はそうそうできるものではないだろうから得した気分。いずれ、船橋にある初代のしらせも見学することにしよう。
あ、そうそう。明日、行かれる方はできるだけ早く行って並んだ方が吉だと思われます。
滝田務雄:『長弓戯画』(東京創元社) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
雑踏のなか、和弓で射殺された男性。誰が、どうしてそんな目立つ凶器で殺人を行ったのか?しかも、日本有数の弓の名手でもなければ犯行が困難な状況で…。美男子なれどヘナチョコな少女漫画家マーチ宇佐輝先生と、ドSの編集者カメちゃんこと小亀ミドリは心ならずも事件に巻き込まれる。次々現れる新事実、その度に繰り返される推理の構築と否定。どこまで行っても五里霧中、謎多き和弓殺人事件の真相は?“田舎の刑事”シリーズで既にお馴染み、第三回ミステリーズ!新人賞受賞作家が満を持して贈る新シリーズ第一弾。長編本格コメディ・ミステリ。
著者の初の長編と言うことで期待して読み進める。結論から申し述べると、期待の半分は満たされたという感じだ。満たされなかったのは、ミステリとしての充実度合い。短編ネタを苦労して引き延ばした感があるところが惜しい。枠組みとしては本格ミステリ。だから不特定多数が犯人たり得るシチュエーションは難しいと思う。結局、狭い世界で物語が収束してしまうというのも物足りない。
一方、満たされたのは著者独特のキャラクタ造形。ヘナチョコ漫画家とその担当編集者のやり取りはある種の不条理感があり、当方好みのコメディになっている。ミステリ部分とうまく融合できているのかと言えばそうだとは言い切れないが、登場人物たちのすっとぼけ振りがページをめくらせるのに一役買っているとは言えると思う。
本格的なミステリを好む人には物足りないだろうと推測できるが、「田舎の刑事」シリーズが気に入っている人ならば、やはり手にとって良い作品だとは思う。
乳頭温泉に行ってきた [travel]
"乳頭温泉"などと書くと柄にもなく照れてしまう。いや、ほんと。なぜ乳頭温泉なのかは、これを書いている時点では調べていない。まあ、どうでもいいか。
それにしてもプリウスである。レンタカーで借りると禁煙車オンリーなのでこれまで避けてきたが、いやはやこれほどおもしろい乗り物だと知っていたらもっと早く選択すべきだった。
ニッ○ンレ○タカーから引き渡されるとき、「プリウスは初めてですか?」と訊かれた。というほど、操作系がフツーのクルマと違う。まず、パーキングポジションがセレクタ(シフトレバー)の右上にあるスイッチ。セレクタ自体もスイッチの感覚に近い。
走り出すと、噂通りの静音性。ハンドルにあるディスプレイ表示スイッチをいじると、今どのような駆動系で走っているかがわかる。当方はずっとエコモードで走っていたのだが、走り出す時点では内燃エンジンはかかっていない模様。大雑把に言うと時速70キロくらいから内燃エンジンが駆動する。
めいっぱいアクセルを踏むとエンジンとモーターが駆動、そこそこの速度だとエンジンが駆動し、モーターが電気を生成・電池に充電、低速で走るとモーターのみで駆動。言葉にするとわかりにくいけど。行きは上り坂をエンジンとモーターでうんこらしょと上っていたのが、帰りの下り坂ではエンジンは停止しモータが電気を発生させ充電。つまり位置エネルギーが電力に変換されるということだ。満タンに充電されると訳もなくうれしくなってしまう。
市街地をトロトロ走っているときはエンジンはまったく動かず、まさに電気自動車。まさか、これほど日常的な感覚で電気自動車に乗ることになろうとは。いつのまにか未来に生きていたという驚きだ。燃費もリッター25キロを走り、現段階では満足して良いと思う。万が一、自動車を買わなければならない事態に陥ったときにはプリウスを買うしかないな。
あれれ。クルマのインプレするようなblogではなかった。
実を言うと、温泉よりプリウスの運転が愉しかったドライブ。次回はHONDAのインサイトを借りてみます。
『バイオハザードIV アフターライフ』 [movie]
原題:
Resident Evil: Afterlife
監督・脚本:
ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョボビッチ、アリ・ラーター、ウェントワース・ミラー、キム・コーツ、ショーン・ロバーツ、スペンサー・ロック、ボリス・コジョー
製作国:
2010年アメリカ映画
配給:
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ストーリー
ゾンビウイルスの拡散により荒廃した世界を舞台に、アリスは世界中を旅しながら、数少ない生存者を探していた。やがて、ロサンゼルスにウイルスに侵されていない安全な場所が存在するという情報を得て向かうが、そこはアンデッドたちによって支配されていた…
2002年の第一作から、このシリーズも息が長い。当方は第一作目のみDVDで鑑賞、その後はまめに劇場に鑑賞に赴いている。かといって別に原案のゲームをやっているわけでも本シリーズのファンというわけでもない。実は、このシリーズ、それほどおもしろくはないと思っているのだから、単なる惰性に過ぎない。
とはいえ、本作は第一作と同じポール・W・S・アンダーソンがメガフォンを取るということ。また、冒頭には東京を舞台にしたシーンがあるとのことで若干の期待を胸に秘め先行上映の劇場に行く。
雨のそぼ降る渋谷のスクランブル交差点で、一人の女が傘も差さずに佇んでいる。それに目を留めた会社員は、女に喉笛をかみ切られ……と、その女性、どっかで見たことのある顔だと思って帰ってから確認したら中島美嘉。エンドロールではなぜか役名が"J-POP Girl"と標記されている。
閑話休題。そんな近未来の渋谷の地下には、張り巡らされている地下鉄など関係ないという風情でアンブレラ社の秘密研究所が存在していた。そこに乗り込んだアリス(ミラ・ジョヴォビッチ)とそのクローンは、同社の私兵たちと銃撃戦を演じ、首領とおぼしきウェスカーを追いつめるも…
その襲撃の半年後、前作で仲間たちが逃れた"アルカディア"があるはずのアラスカにプロペラ機を駆るアリス。どこかでみたことのあるシチュエーションだな。彼の地とおぼしき場所に着陸したアリスは、そこでアルカディアに向かったはずのクレアと再会、米国西海岸へ向かうことになる…
って、なぜアリスが秘密研究所を襲撃するのかよくわからない。同じシークエンスではテレキネシスとおぼしき能力を発揮しているが、以降、それが使われるシーンはない。その後、なぜかアリスは脈絡なくプロペラ機で移動するし、飛行機の燃料はどうやって補給しているのか不明だし、たどり着いたのは市街地のど真ん中にあるという設定の刑務所だったり、その刑務所で生き延びているのはプロバスケットボール選手や映画プロデューサー・女優だったりと、設定に無理がありすぎる。
多くの人が予測されているように、本作でも完結には至らず、続編の可能性が示唆されて終映。なんだか中途半端な位置付けの作品と言わざるをえない。このままシリーズとしてダラダラと続けていくのは、作る方も観る方も不毛な気がする。本作以降、ミラ・ジョヴォビッチは出演しないと公言しているし、次作はどうなるんだろうね。
一応かるくまとめると、前三作を観ていない人は事前の予習が必須。行き当たりばったりのストーリー展開と無茶な設定を気にせず、ノーテンキに主演女優のアクションを愉しむだけであるならば、一時の娯楽にはなるだろうという作品。当方は乗りかかった船、そしてミラ・ジョヴォビッチが好きなんで特に問題なしですが。
◎前三作をまとめて観たい人に(Blu-rayです!)
バイオハザード トリロジーBOX(3枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: Blu-ray
福田和代:『オーディンの鴉』(朝日新聞出版) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員・矢島誠一は、東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見は、ネット上に溢れる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、彼の詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に戦慄を覚える二人だが、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届きはじめる…。スケールの大きなクライシスノベルを得意とする作者が挑んだインターネット社会の“闇”。
主人公は東京地検特捜部の検事。著者の元検事への取材の成果で、序盤で描かれる捜査や尋問のシーンなど迫真性はそこかしこに感じられる。でも、高村薫の『 マークスの山 』で描かれた警察官たちが、同僚に対してネタをひた隠しにする姿が本当だとしたら、検事なんてもっと凄まじい化かし合いがあるのでは、とも思ってしまう。
また、設定と題材がミスマッチだと感じる。事件やその真相が、検事を主人公にするにはリアリティが不足気味。当方には、著者の目標が米国のテレビドラマのような作品であると感じられたのだが、残念ながらその域には達していない。このテーマであれば(良し悪しは別として)倍以上の書き込みで、細かいリアリティを積み重ねることよってサスペンスが生成されるのではないか。パーツのそれぞれは端正にまとまっているのに、全体としてみるとどこかちぐはぐな印象がするミステリだ。