『パーフェクト・ゲッタウェイ』 [dvd]
原題:
A Perfect Getaway
監督・脚本:
デビッド・トゥーヒー
出演:ミラ・ジョボビッチ、スティーブ・ザーン、ティモシー・オリファント、キエレ・サンチェス
製作国:
2009年アメリカ映画
上映時間:
98分
配給:
プレシディオ
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買ったばかりの電子辞書で調べてみると、"A Perfect Getaway"には「完璧な逃走」、あるいは「申し分ない保養地」とも両方の意味にとれるんですな。鑑賞し終えると、そんな洒落たタイトルが本作の素性を表しているとわかるはずだ。
ストーリー
ハネムーンでハワイを訪れていたクリフとシドニーは、1組のカップルが殺害される事件に遭遇する。現地で仲良くなった2組のカップルに次第に疑いを抱き始めたシドニーたちだったが、犯人の動機など一切不明なまま、謎の殺人事件に巻き込まれていく。
いやはや、騙されちまった。少し眠いところに無防備で鑑賞したからということもあるんだけれど。少しわかりにくいところをネタバレサイトで補完したんだが、わりと簡単に真相を見抜いていた人が多い。少し悔しいという思いもあるが、ころっと騙される快感もあるわけで、だからかもしれないが当方にとっては好きな作品といえる。
で、本作のユニークな点は、意外な犯人がわかってからのその後の展開。まさにネガとポジが反転するような、観客である当方の感情移入の移り変わりが、人間の心のおかしなところを感じさせるのだ(わかりにくい表現だw)。だから本作では、できるだけ無防備にリラックスして、真相を見抜こうと鵜の目鷹の目で鑑賞されるのは避けた方が吉と言っておこう。
さて、調べてみると監督のデビッド・トゥーヒーは当方のお気に入りである『 アライバル 侵略者 』の監督であり『 クローン 』の脚本を書いた人。なるほど、B級SFのみならず、この手のサスペンスでも手練れとみた……むむ、ハリソン・フォードの『 逃亡者 』やあの『 ウォーターワールド 』の脚本も書いてるよ。
当方としては、アンフェアと思える部分もあるが、それを上回る小技の効かせかた(トランシーバーの使い方とか)がうれしい一作。どうってことのないB級作品には違いないが、「B級上等!」の人には自信を持ってお奨めしたい。