SSブログ

『ソルト』 [movie]

salt_wp_5_1024i.jpg

原題: Salt
監督: フィリップ・ノイス
脚本: カート・ウィマー
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: アンジェリーナ・ジョリー、リーブ・シュレイバー、キウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー、アンドレ・ブラウアー、アウグスト・ディール
製作国: 2010年アメリカ映画
上映時間: 105分
配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


ストーリー
CIA職員のイブリン・ソルトは、謎のロシア男性の告白により、大統領暗殺のために送り込まれたロシアの二重スパイの嫌疑をかけられる。CIAから追われる身となったイブリンは顔を変え、髪の毛の色を変え、別人になりすまして真相を突き止めようとするが…


チェンジリング 』は劇場・DVDともスルーしたので、アンジェリーナ・ジョリー出演作は2008年鑑賞の『 ウォンテッド 』以来だ。実を言えばそれほど期待せずに鑑賞に赴いたのだが、105分の短尺を中弛みなくみせるという意味では満足させられるデキだった。

冒頭の謎のロシア人の告白からノンストップアクションが続く。が、高速走行中のトラックを忍者ばりに飛び移るのはいいとして、あんな落ち方したら生きてはいまいというシーンなどもあり、リアリティではいまひとつ。実は本作でいちばんユニークなのは、観客の感情移入を逆手に取る展開。冒頭からブロンドで登場されたジョリ姐が髪を黒く染めた後からの豹変振りは観客の感情を宙ぶらりんにさせる。

その後もアクションの連続で、息つく間もなくラストシーンに至る。で、観賞後に冷静に考えると、そもそも謎のロシア人の告白は本作の中心となっている陰謀に対してデメリットしかないのでは、ということに気づいたりする。

描かれる陰謀やスリーパーエージェントというアイデアも、ロバート・ラドラムっぽく、それはすなわち30年近く前に流行った小説群の焼き直しでしかない。「ボーン三部作」だって同じなんだが、そこには現代風なアレンジやリアリティあるアクションシーンという厚みがあった。

描かれる世界に奥行きが感じられない、というところか。もちろん、アクション映画に世界の奥行きがどうしても必要か、と問うこともできるのであって、そういう意味では肩肘張らずに愉しめるアクション映画を求める層の需要には応えることができる。細かいところを気にしなければ、ごく普通に愉しむことができる一本。


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。