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『借りぐらしのアリエッティ』 [movie]

監督: 米林宏昌
企画・脚本: 宮崎駿
プロデューサー: 鈴木敏夫
原作: メアリー・ノートン
脚本: 丹羽圭子
美術: 武重洋二、吉田昇
出演:志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也、三浦友和、樹木希林
主題歌: セシル・コルベル
アニメーション制作: スタジオジブリ
製作国: 2010年日本映画
上映時間: 94分
配給: 東宝

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映画の日と日曜日が久々に重なった。スケジュールを調整しようとすると、必然的に8時25分開映の回にせざるを得ないことが判明。これまでは、8時40分の開映が記録だったから15分も記録を更新。って、仕事の始業時間より早いやん。おそらく映画館自体は7時くらいから準備しているだろう。映写機に暖機運転が必要かどうかは知らないが、TOHOシネマズのなかの人もたいへんである。


ストーリー
身長10センチの小さなアリエッティ一家は、人間が住む家の床下で、さまざまな生活品をこっそり借りて暮らしていた。彼らの掟は「決して人間に見られてはいけない」ということ。しかし、アリエッティはその家に引越してきた少年・翔に自分の姿を見られてしまう。
話題作ゆえに424席のフラッグシップスクリーンが用意されていたにもかかわらず、早い上映開始だったからだろう、4割程度の埋まり具合だったので快適々々。早朝鑑賞も悪くはない。内容も、想像していたよりプレーンかつシンプルだったので愉しめたのだった。

床下のこびとなどという、いまとなっては陳腐に過ぎない題材がおもしろい理由のひとつは、それを一夏のBoy Meets Girlのお話にしているところ。あと、中盤のアリエッティの初の"借り"(狩りじゃない)の一連のシークエンスが素晴らしい。少年のころ家のどこかに秘密基地を作ったことのある少年なら、なおさら愉しめるに違いない。

そして、いまどきのアニメと感じるのは登場人物たちの性格付けや行動を善悪をはじめとした二元論に区分していないところ。アリエッティと翔の会話にみられる翔のそこはかとない悪意とか、ハルさんの行動とか、ちょっとヒステリックなホミリーとか。そもそも、人間に見られてはいけないという禁忌を破ってしまったのが主人公のアリエッティなのだし。そこにあるのは、二元論を超えた、ちょっとした言動や行動の違いで運命は変わっていくという世界観なのかもしれない。

などと小難しいことを考えずとも、 冒頭に申し上げたようにわりとシンプルな物語なので、40ヅラ下げたオヂサンでも愉しめます。特にスピラーは『 未来少年コナン 』のジムシィを彷彿とさせるキャラクタで、その世代としては懐かしい限りだった。

そういえば本作に出てくる家のモデルになったのは青森県平川市の国指定名勝「盛美園」とのことで、この前、行っておけば良かったと悔やまれる。本作の影響で訪れる観光客が増加しているとのことで誠に以て慶賀の至りである。


◎原作本です

 

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: メアリー ノートン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 文庫

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