『パラノーマル・アクティビティ』 [dvd]
原題:
Paranormal Activity
監督・脚本・編集:
オーレン・ペリ
製作:
オーレン・ペリ、ジェイソン・ブラム
製作総指揮:
スティーブン・シュナイダー
出演
ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
製作国:
2009年アメリカ映画
上映時間:
86分
配給:
プレシディオ
内容紹介
平凡な一軒家で幸せに暮らす若いカップル。しかし毎晩寝付いた後に家の様子がいつもと変わっていることに気づく。
少女の頃から不可思議なことが起こり続けているケイティは、その原因が自分にあるのではないかと感じていた。
彼女の恋人であるミカは自分達の家に起こっている“何か”を突き止めるため、生活の一部始終をビデオカメラで撮影することにする。
真夜中、2人が眠りについた後、何か起きているのか―。
ビデオには衝撃の映像が映っていた・・・。
周知のように、制作費が1万5千ドルという低予算の自主制作映画。それが全世界で興行収入を153百万ドルたたき出したというのだから、投下資本が約 10,000倍になって還ってきたわけだ。ちなみに今日現在のレート1ドル87.96円で換算すると、132万円が134億円になったという次第。興行収入の半分程度が配給会社の取り分として仮に67億円程度。監督や出演者の取り分がどうだかわからないが、とてつもないスケールではある。
そんなジャックポッド映画を期待を込めて鑑賞したのだが、正直に言えば、こりゃ困ったというところ。広義でのフェイク・ドキュメンタリといって良い内容だから、当方が好むところではある。しかし、今ひとつノリ切れなかったというのが結論。
当方が最後まで違和感を拭いきれなかったのは、POV映画に必須の要素である「カメラを決して手放さず止めない人間」の存在。なにがそこまでおまえをそうさせるのだ、と問いつめてみたい。本作で言えば、登場するミカ(同棲カップルの男のほう)が、恋人であるケイティにどんな嫌みを言われようとカメラを手放さず止めない。ACアダプタがつながってるわけでもなさそうだし、どんな高性能のバッテリ積んでるんだよ、とつっこみの一つも入れたくなる。
そう、当方のような引きこもり系モバイラとしては、そんな高性能のバッテリがほしいということなのだ。いや、ちがう、話が逸れた。とにかく、その執拗さには辟易してしまうのである。フェイク・ドキュメンタリとPOVの手法とは分けて考えたほうがいいのかもしれない。『
クローバーフィールド/HAKAISHA
』も『
ダイアリー・オブ・ザ・デッド
』も本作も、いわゆるフェイク・ドキュメンタリではない、と個人的感覚で言い切っておこう(ちなみにPOVの嚆矢である『
ブレア・ウィッチ・プロジェクト 』は未見)。
そして、最大の問題だったのは怖くなかったということ。音楽や効果音などがほとんどない点も影響しているには違いないし、当方の感覚に問題があるのかもしれない。ともかく恐怖のツボは刺激されなかった。ということで、積極的にお奨めできないという残念な結果になったのだった。