為末大:『為末大の未来対談―僕たちの可能性ととりあえずの限界の話をしよう』(プレジデント社) [book]
為末大の未来対談―僕たちの可能性ととりあえずの限界の話をしよう
- 作者: 為末 大
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本
出版社のメールマガジンで、本書の出版記念対談が開催されることを知った。5,000円もかかるのだが申し込むことにした。
というのは、対談相手の安宅和人氏の著書にいたく感銘を受けた覚えがあるから。行くからには、読んでおかねばならない、と本書を購入し読了。来週に開催されるので、レボは後日エントリしたい。
内容(「BOOK」データベースより)
科学技術が進歩するほど人間がそれをどこまで受け入れられるかが問われる。人間にできないことが増えてくればくるほど人間らしさについて深く考えていく必要がある。
さて、本書は科学技術力を中心として斯界のフロントランナーの話を聴くという趣向。それぞれの話は、もう少しで手が届く未来、といった感じで興味深い。キーワードは「人工知能」、「ビッグデータ」、「医療」、「教育」、「自動運転」といったところである。
もちろん、対談で知り得るのは表層的なものなので、詳しく知りたければ各自の著書や類書を手に取れ、ということなんだろう。当方は早速「データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」を図書館に発注した。
以下になるほどふむむなフレーズを列挙しておきます。
「何を考えなければいけないか」を考えることに、人間の活動はかなり収れんしていく。(安宅和人)
仕事中に集中度が高い人の特徴は見えてきました。(中略)平日と週末で睡眠時間の差が小さいことです。(矢野和男)
(100歳以上の長寿者の特徴として)毎回のお食事にしたって、楽しみにしている方はいますよね。つまり、日常生活のなかでのことを楽しみにしていることだと思います。(新井康通)
私は「大人が子どもの鼻っ柱をへし折る教育」が、これからは必要と思っているんです。(中邑賢龍)
主には研究職にある人々との対談だが、「研究」は、やはり地味でありコツコツとやっていく営為であるということが垣間見えるところも良い。興味が持てない人が無理して読むことはないけれど、知識欲のある人は本書をきっかけにできるのではないか。読みやすいしね。
◎良書です。
タグ:【読書】対談集
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