誉田哲也:『ドルチェ』(新潮社) [book]
内容(「BOOK」データベースより)
彼女が捜査一課に戻らない理由。それは、人が殺されて始まる捜査より、誰かが死ぬ前の事件に係わりたいから。誰かが生きていてくれることが喜びだから。警視庁本部への復帰の誘いを断り続け、所轄を渡って十年が過ぎた。組織内でも人生でも、なぜか少しだけ脇道を歩いてしまう女刑事・魚住久江が主人公の全6編。
なんと著者は初読。「ジウ」シリーズや『ストロベリーナイト』は購入したものの、例によってほっぽらかし状態。本書は装丁写真が気に入ったから購入。いわゆるジャケ買いですね。
さて、読了して感じたのは「軽いな」というもの。梗概にある女性刑事の人間像の奥行きから事件の内容に至るまで、重くなりそうな題材を敢えて軽くしているような感じ。うん、有体に言っちまえば、TVの二時間ドラマのプロットと人物造形だ。
もちろん、こうして読み切っているくらいだから、つまらないということはない。特に最終話の「愛したのが百年目」は人間の心の不思議さを浮かび上がらせる佳品だ。
2012-02-20 07:31
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