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『カウボーイ&エイリアン』 [movie]

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原題: Cowboys & Aliens
製作国: 2011年アメリカ映画
配給: パラマウント
上映時間: 118分
キャスト: ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリビア・ワイルド、サム・ロックウェル、アダム・ビーチ、ポール・ダノ、ノア・リンガー
監督: ジョン・ファブロー
原作: スコット・ミッチェル・ローゼンバーグ
脚本: アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、デイモン・リンデロフ

本屋さんの文庫売場でここ最近になって目立つのが時代小説シリーズ。一部の作者については、ほんとに一人で書いているのかよ、とおらびたくなるような量産ぶりだ。なんだかね、一昔前の架空戦記モノのような盛況さであり、その後にそのジャンルがたどった没落を繰り返すのではないかと他人事ながら心配になる。まるで焼畑農法のようじゃあないか。

とはいえ、時代モノというジャンルが小説・TV・映画を問わず好まれているのは、やはり日本人のDNAに根ざす部分があることにはちがいない。同様のことは米国における西部劇にもいえるようで、日本には紹介されないが、西部劇小説や映画はいまだに書かれたり撮られたりしていると仄聞している。


作品紹介
19世紀のアリゾナ州を舞台に、過去の記憶をなくした男が砂漠の町に迷い込み、町を支配する強権的な大佐らと共に宇宙からの脅威に立ち向かうSFアクション超大作。『アイアンマン』シリーズのジョン・ファヴローが監督を務め、製作にロン・ハワード、製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグという強力布陣で人気グラフィック・ノベルを実写化。

本作は、そんな西部劇とSFアクションの融合を目指したもの。上記の紹介文にあるように原作はグラフィックノベルらしい。当方は未読。


原作はエイリアンとカウボーイのみならずネイティヴ・アメリカンが絡み三つ巴の闘いとなるストーリーらしい。内容を想像するに「人類を侵略しようとするエイリアン」と「ネイティヴ・アメリカンから土地を奪おうとする白人開拓民」との対比がアイロニカルな味わいを醸し出しているのではないか。

実はそのあたりは本作ではスルーされていて、だからかどうかわからないが結果として何を言いたいのかわからない作品になってしまっている。荒野のど真ん中で目覚めた記憶をなくした男の復讐物語なのか、男の成長と再生を描きたいのか、あるいは単純な冒険物語を語りたかったのか。

いずれの要素もありながら、いずれの要素も中途半端に終わってしまっている。そのあたりはキャスティングのミスも重なっていて、だってさ、ハリソン・フォードが最後の最後まで憎たらしい悪役で終わることはないだろう、ってことである。つまり先が読めてしまうのだ。

脚本もかなり大雑把であり、「一人では再生できなかった」人がなぜ燃やされると復活しちゃうのか、とか乱暴もいいところである。鑑賞者に伏線とその回収を提示しないで納得させようというのは土台無理な話だ。

ダニエル・クレイグ(相変わらず上半身ハダカのシーンあり)や、ハリソン・フォード(さすがに年を喰ったね)、サム・ロックウェルらの好演がかわいそうな脚本。なかでもオリビア・ワイルドは華があってよかったのに、まことに残念なできの作品といわざるをえない。


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