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『ラスト・ブラッド』 [dvd]

ラスト・ブラッド スペシャル・エディション [DVD]

ラスト・ブラッド スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD

原題: Blood the Last Vampire
監督: クリス・ナオン
脚本: クリス・チョウ
音楽: クリント・マンセル
出演: チョン・ジヒョン、小雪、アリソン・ミラー、リーアム・カニンガム、J・J・フェイルド、コリン・サーモン、倉田保昭
製作国: 2009年香港・フランス合作映画
上映時間: 91分
映倫指定: R15+
配給: アスミック・エース


ストーリー
プロダクションI.Gのアニメ「BLOOD THE LAST VAMPAIRE」を、「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョン主演で実写化。16世紀から400年に渡って続いてきた人間と“オニ”と呼ばれる吸血鬼たちの戦い。日本刀でオニたちを斬る謎の少女サヤは、在日米軍基地で発生した殺人事件の陰に究極のオニと呼ばれる“オニゲン”の存在を感じ、基地内のアメリカ人学校に潜入するが…


小説でも映画でも、外国人からみた日本が描かれる作品は、どうあっても何かしらのトンデモ要素がある。そんな味わいが大好きだ。それは、当方のような日本人も諸外国をなんらかのフィルタを通してみているのと一緒なわけだ。どんなに世界経済がグローバル化しようとインターネットが隅々まで行き渡ろうと、そのあたりのギャップというか誤解というか、それはなくならないだろう。

本作で描かれる日本もまたしかり。冒頭の地下鉄シーンでは、どうみても丸ノ内線の車両が終点の浅草に着こうとしている。 というか、いくら夜中でも空きすぎだよ、あの地下鉄。また、主人公のサヤが隠れるホテルが「トゴシギンザ」にあったりとか、あのへんは住宅街と言っていいじゃないだろうか。そのあたりのギャップがおもしろい。もちろん、わざとやっているということも考えられるが。

ストーリーは至ってありがちな、ヴァンパイアと、その人間のハーフとの因縁復讐劇だ。チョン・ジヒョン演ずるサヤは、どうやら数百年を生きる不死身に近い存在。究極のオニたるオニゲンを演ずるのが小雪と、なんだかオニは女系のようだ。見所は、中盤における街中でのサヤの死闘で、オニをバッサバッサとなぎ倒す百人切り。ワイヤーアクション+CGで味気ないと言えばそうなんだけど、流血シーンが生臭くなくってよろしい。

内容について言えば、細かいツッコミどころを記述しはじめたらキリがない。なぜセーラー服なのかをはじめとし、ストーリーにおける整合性をまったく無視して突っ走っている。

ところが、だ。当方は本作を相当におもしろく鑑賞してしまった。もちろん、他人には奨めないよ。奨めようがない。やはり、異国の眼から描かれる日本の姿が気に入ったから。いや、もしかしたら、1970年の当時の日本はあんな姿だったのかもしれない。そんな、トリップ感を味わうことができる。

そういえば、サヤの家来のカトウ役で倉田保昭が出演。還暦を越しているのだが、味わい深いアクションシーンを披露している。このシーンもポイント高いかな。


◎原案の日本アニメ

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