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『(500)日のサマー』 [bd]

原題: (500) Days of Summer
監督: マーク・ウェブ
脚本: スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
美術: ローラ・フォックス
音楽: マイケル・ダナ、ロブ・シモンセン
出演: ジョセフ・ゴードン=レビット、ズーイー・デシャネル、ジェフリー・エアンド、クロエ・グレース・モレッツ、マシュー・グレイ・ガブラー、クラーク・グレッグ、レイチェル・ボストン、ミンカ・ケリー
製作国: 2009年アメリカ映画
上映時間: 96分
配給: 20世紀フォックス映画


ストーリー
建築家を夢見つつもグリーティング・カード会社で働くトムは、社長秘書として入社してきたサマーに一目ぼれをする。運命の恋を信じるトムは果敢にアタックし、遂に一夜を共にするのだが、サマーにとってトムは運命の人ではなく、ただの「友だち」でしかなかった。そんな、トムとサマーの500日の出来事を軽快に描くビター・スウィートなラブコメディ。


開始早々におもしろいと思ったのは、サマーとの500日が1日目から始まらず、それ以降も時間軸がランダムに進行すること。冒頭で(謎の)語り手が「これはラブストーリーではない」とモノローグするが、ラブストーリーが時間軸に沿って描かれ、そのプロセスを観るものが愉しむという普通の構成を取らないという宣言なのかもしれない。

そして、この構成はジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるトムを鑑賞する者が、トムの感じてきたことを追体験できるという効果がある。恋の終焉(←おわりとルビを振りたいところ)とか中弛みの時期って、やはり楽しかったころを思い出すじゃないですか、あんな感じ。男だったらわかる人は多いと思う。四十ヅラ下げて言うことでもないが。

ランダムに500日間のあいだの時間をあっちこっちに行きかうので、どんな結末が待ち受けているのか先を読ませないということがある。そして鑑賞し終えた当方の解釈は、本作はやはりラブストーリーではなく、トムが成熟に向けて一歩踏み出す成長物語であるというものだった。いや、見当違いも甚だしいのかもしれないので気にしないでください。

主演の一人であるジョセフ・ゴードン=レヴィットは、痩身で線が細い青年だが存在感は抜群。『 BRICK‐ブリック‐ 』でもそうだったが、人を殴ると逆に殴り倒されてしまうシーンが似合う俳優としては当代随一。今後に期待。年齢的には同世代であるズーイー・デシャネルは美人だが、彼の童顔には少し大人っぽすぎたかも。そうそう、冒頭から登場する子役はトムとどんな関係なのかわからなかったが、妹なのね。

素直にラブコメディとして愉しめばいいだけかもしれないという一方で、何かしら奥が深いのかもしれないと思わせる、解釈の難しい映画。構えて観る必要はないが、相応に考えながら鑑賞するのが吉。単なるエンタテインメントとは言えなそうなヘンな深みを持っている映画だ。


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