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新将命:『経営の教科書』(ダイヤモンド社) [book]
内容紹介
“伝説の外資トップ”と呼ばれた著者が、20年以上に及ぶ経営職経験で得た知見を初めて体系化した「社長の仕事」実論。
会社ごとに商品・商慣習の違いはあれど、社長の仕事の80%は業種業界問わずみな同じ。すなわち「経営の原理原則」を身につけることである。“伝説の外資トップ”と呼ばれた著者が20年以上に及ぶ経営職経験で得た知見を初めて体系化。会社を伸ばす社長・つぶす社長を決定づける「社長の仕事」実論を余すところなく説く。
タイトルからして『経営の教科書』とあるのだから、主たる購入ターゲットは経営者もしくはこれから経営者になろう・なりたいという人向けであることに間違いない。では、当方のような不良会社員が読むことに意義はないのか、というと、そんなことはないといえる。
たとえば、取引先の与信管理をする際に、定性的な審査ををする際の基準として、本書に記述されている基礎がなっていないような企業(の経営者)とは早めにおつきあいをやめたほうがいい、という判断材料になるかもしれない。
あるいは、自分の勤務する企業において、経営者が会社の舵取りをする役割であるとし、社員(当方のような不良社員を含め)は会社を推進させる役割ということだとするならば、本書に書かれているような基礎を失しているような場合には、早めに見切りをつけるとか。
もっと細かいところでは、たとえば自部門の戦略を策定するようなときに、本書のような基礎的な知識を念頭に置き作業を進めるということはできるだろう。あ、そういう実利的な本じゃなかったか。正しい読み方ではないなあ。
とにかく、本書を読んで、理想を記述しただけの道徳論的な書物、と一蹴される向きもあるだろう。けれど、そういった道徳なしに突っ走って来た結果が、現代日本の閉塞感とか喪失感を産んでしまっているのだとしたら、今一度、基本に立ち戻る必要があるに違いない。そんなことを考えさせる一冊だ。
◎本書の印象的な文章
では、利益とは何か。企業にとって、利益とは目的という一面もあるが、何よりも大事なのは、利益は「結果」であり「手段」と考えるべきである。私はよく、利益をガソリンにたとえる。(中略)
ガソリンがなくなれば、会社はエンストを起こして立ち往生してしまう。それでは困るのでガソリンという名の利益は欠かせないが、車を運転する本来の目的はガソリンを燃やすことではない。目的地に到達することである。
(100~101ページ)
※目的地とは何か、については本書をお読みください。ところで、3行目の「ガソリンという名の利益は欠かせない」は、「利益という名のガソリン」のほうが適当なのでは、と思ったりした。
◎関連エントリ
・坂本光司:『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)
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