『グリーン・ゾーン』 [movie]
原題:
Green Zone
監督:
ポール・グリーングラス
製作:
ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、ロイド・レビン、ポール・グリーングラス
製作総指揮:
デブラ・ヘイワード、ライザ・チェイシン
原作:
ラジーフ・チャンドラセカラン
脚本:
ブライアン・ヘルゲランド
出演:
マット・デイモン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライアン、ハリド・アブダラ、ジェイソン・アイザックス
製作国:
2010年アメリカ映画
上映時間:
114分
配給:
東宝東和
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期待に胸をふくらませ劇場に赴く。というのも、あの『
ボーン・スプレマシー
』、『
ボーン・アルティメイタム
』のポール・グリーングラス監督&マット・デイモンのコンビの作品だから。
あらすじ
イラク戦争開戦から4週間後。ロイ・ミラーと彼の部隊は、砂漠地帯に隠された大量破壊兵器の行方を追う極秘任務で、イラクの首都バグダードを駆けずり回っていた。混乱のさなか、大量破壊兵器が隠されているとみられる倉庫に踏み込むが空振りに終わる。国防総省の動きに不信感を覚えた彼は、同じ疑念を抱いていたCIA調査官ブラウンと共闘することに。部隊を離れ単独で調査を開始し、執拗な妨害工作に苦しみながらも謎の核心に迫っていく。
グリーン・ゾーンとは、米軍を中心としたイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局があったバグダード市内10km²にわたるエリアのこと。イラク暫定政権下の正式名称は「インターナショナル・ゾーン」ではあるものの、「グリーン・ゾーン」の呼び名が一般的、だそうである(ウィキペディアより)。
さて、開映直後に配給が東宝東和であることがわかり少し動揺する。どうも、同社の配給する作品との相性が悪い場合が多い気がするからだ。結論から申し述べると、手に汗握るエンタテインメント作品を期待すると肩透しとなるような作品だ。
そもそも本作はアクション映画ではない。時事社会派映画にアクションの味付けをしている、とでもいったらいいか。メッセージは直截的で、「合衆国政府のやっていることのなかには、信じられない部分が一部はあるから、われわれはそれを注視し、場合によっては阻止しますよ」というものだ。
上記のようなメッセージはボーン三部作ではCIAの陰謀というフィクショナルなものに置き換えられていたんだが、本作ではイラク戦争という現実に起こった戦争下での物語になっている。だから、イラク戦争の背景を少ししか知らない当方は置いてけぼりをくらってしまった。現代史の勉強不足だといわれてしまえばそれまでだけど。
それから、マット・デイモン演ずるミラーのキャラクタが、無謀というか直線的というか、あのジェイソン・ボーンの精緻振りを期待していたので物足りないという、これは当方のわがままなんだが。それにしても、ああも簡単に部隊を離れCIAと共闘するという状況はありえるんだろうか。説明も不足しているように思ったぞ。
(以下若干ネタバレ反転)最後の最後で、現地の民間人にああいううことされるというのも、軍人としては間抜けなように思われるがどうだろうか。
ということで、少しばかり残念な鑑賞となってしまった。救いは、国防総省の酷薄な官僚役のグレッグ・キニアの演技。いや、エンドロールで表示されるまで、グレッグ・キニアと似ているなあ、というくらいの別人振りを発揮する演技はさすがだと思わせてくれたのだった。
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