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『アバター』 [movie]

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原題:Avatar
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
製作総指揮:コリン・ウィルソン
撮影:マウロ・フィオーレ
美術:リック・カーター、ロバート・ストームバーグ
編集:スティーブン・リフキン、ジョン・ルフーア、ジェームズ・キャメロン
音楽:ジェームズ・ホーナー
製作国:2009年アメリカ映画
上映時間:2時間42分
配給:20世紀フォックス映画
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーブン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、ジョバンニ・リビシ、ジョエル・デビッド・ムーア、CCH・パウンダー、ウェス・スチュディ、ラズ・アロンソ

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正月休みということで自宅に帰ってきた。自宅に帰ってきたらやることは散髪と映画鑑賞しかないでしょう。ということで大晦日にもかかわらず市川コルトンプラザのTOHOシネマズに向かう。ちなみに散髪の結果、冒頭のサム・ワーシントンのようなクルーカットとなり、これでより映画の世界に入り込みやすくなった(のか?) さて、今年最後の鑑賞にふさわしい映画やいかに。


ストーリー
22世紀、地球から遠く離れた惑星パンドラへとやってきた元海兵隊員ジェイクは、自らの分身となる“アバター”を操り、先住民ナヴィと交流するが、やがて鉱物資源を巡って勃発する人類とナヴィとの戦争に巻き込まれていく。


ちなみに当方は非3Dヴァージョンにて鑑賞。だってさ、いい大人が3Dメガネ掛けている図っておかしくないかあ。いや、自意識過剰というのはわかっているんだが、アホ面がこれ以上アホ面にみえるのでは目も当てられないから。

閑話休題。とにかく、これだけの長い上映時間があっという間に終わった映画は久しぶりだ。そういう意味で、エンタテインメントとしてお奨めするのにまったく問題がないであろうと思える映画作品だ。

当方ごときがいうまでもなく、最大の見所はその映像美。惑星パンドラで実際にロケをやったのではと見まごうばかりのリアリティだ。特に浮遊する石塊を縫っての飛行シーンは圧倒的な迫力。

そして、ジェームズ・キャメロンのモティフというべきモノやコトが相変わらず顕れるのは、当方はわりとうれしい。すなわち、強い女性・パワードスーツ・ヘリコプタのようなVTOL機・クラゲのような生命体・暴走する兵士などなど、ほかにもあったかもしれないが。このあたりは意図的なんだろうかね。まあ、無意識に入れ込んでいるわけではないんだろうけど。

そんなこんなもあるが、当方がいちばんうれしかったのは久々にミシェル・ロドリゲスをスクリーン上で観たこと。パワフルさとふてぶてしさは相変わらずで、女性兵士を演じさせたら今現在この人以上の女優はいないんじゃないだろうかと思う。

で、「お奨めするのにまったく問題がないであろうと思える」などと奥歯に物が挟まったような言い方をしたのには理由がある。問題はストーリー。このストーリーを受け入れられるか否かで評価は大きく変わってくる。当方は残念ながら「ちょっとそれはどうなの?」という感じだ。

※以下、珍しく壮絶にネタバレかますので白黒反転します。

平たくいえばこんな話。

  • とある白人の一団が資源を求めて未開の土地にやってくる。そこには原住民がいて、コミュニケーションできないわけではないが、その土地から出て行ってくれそうにない膠着状態にあった。 
  • ある日、その一団にいた兵隊上がりの青年が偵察中に仲間とはぐれ、とある原住民の一族に助けられる。そこで一族の風習や言葉、そして狩りの方法などを学び溶け込んでいく。
  • 青年は一族の長の娘に教育を受けるのだが当然のごとくその娘と恋に落ちる。
  • やがて、青年は異郷の者ながらその一族の伝説にある救世主的な役割を担うことになりそうな感じとなる。
  • そして、いろいろあるうちに白人の一団は業を煮やしてその一族に総攻撃を仕掛けることになる。
  • その青年は白人でありながら、アイデンティティはその一族と同一化し、ついには一族とその周辺の部族を束ね、白人からの攻撃に抵抗する勢力を形作り反撃に打って出る…

ありがちな話が悪いといっているのではない。でも、この作品に関していえばそれがあからさま過ぎるのだ。たとえば、ドレッドヘアのような長髪やモヒカン刈りのような髪型、イニシエーションの儀式、そして戦いの際の化粧など、要するに西部開拓時代における白人とネイティブアメリカンそのままなのだ。だから、観ているあいだもどこかであったような話だとしか思えないというモヤモヤ感が残ってしまう。

作品のテーマとしては、自然との共生とか過剰な市場主義へのアンチテーゼというものはあるのだろう。が、上記のようなあからさまな物語構造がそれを素直に受け入れなくしてしまっているのでは、と思うのだ。

あと細かいところでいえば、恒星間航行を実現し異星生命体の完璧なアバターを製造できるほどの科学力を持った人類がベトナム戦争ライクな戦争を仕掛けるはずがないと思う。もっとスマートにやれそうじゃないですか。まあ、それじゃストーリーが成り立たないんだろうが。そういう舞台設定に詰めが甘いのがマイナスポイント。

そしていちばん残念なのが、反逆した女性兵士ミシェル"トゥルーディ"ロドリゲスを死なせちゃうこと。これは最大の脚本のミス。当方だったら、やむにやまれず主人公たちを助けたものの、自分の身のかわいさゆえにいったんおさらばするが、主人公が空中戦の危機のときに颯爽と現れ敵機を打ち落とし最後は生還…ってそれじゃスターウォーズのハン・ソロか。でも、そういう役柄だと思うんだけどなあ。

うーん。特に前半がわくわくしただけあって期待が大きかっただけに後半部分のグダグダが惜しい。 どことなく納得のいかない作品だった。いや、もちろんBlu-Rayが出たら買うんだろうけどさ。


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