『シャッフル』 [movie]
●上映時間:96分
●配給:2007米/クロックワークス
●スタッフ&キャスト:
[監督]メナン・ヤポ
[脚本]ビル・ケリー
[出演]サンドラ・ブロック,ジュリアン・マクマホン,ニア・ロング,ケイト・ネリガン,アンバー・バレッタ,ピーター・ストーメア
立花隆氏の『 宇宙からの帰還 』は米国の宇宙飛行士に関する優れたノンフィクションであるとともに米国の文化論、とりわけ宗教に関するレポートとして読んでもおもしろいものだった。いや、もう20年以上前に読んだので細部は忘れているが。
ただ、印象に残っているのは米国がヨーロッパ諸国よりもキリスト教を信仰する人が多いという記述だった。多民族かつ神話を持たない国としては宗教がアイデンティティ確立のための拠り所だったのだろうと当方は解釈している。
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【ストーリー】
穏やかな家庭生活を送るリンダのもとに、夫ジムが事故死したとの悲報が届く。しかし翌朝、ジムは何事もなかったかのように生きていた。さらにその翌日、ジムの葬式が行われ、リンダは混乱に陥っていく。
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公式サイトや紹介文から想起するようなどんでん返しサスペンスではない。9.11以降に増加した家族愛・夫婦愛に関する映画といって差し支えないだろう。だから、純粋なサスペンスを期待して鑑賞したら損した気分になると思う。
当方も最初はこの先どうなるんだろう、まさか『 フ○ー○ット○ 』のような落としどころかと警戒したのだが、そういう意味では結果として良い方に転んだと思う。アイデアとしては『 リ○レ○ 』ネタの焼き直しに近いか。あの作品はワン・アンド・オンリーだから真似しても無駄だと思うんだけど。
家族愛・夫婦愛、そして信仰への回帰という最近のハリウッド映画にありがちなモチーフをちらばめた作品。そんな回帰志向は近年の行き過ぎた個人主義やグローバリズムへの反動であるという解釈は些か穿ちすぎだろうが、こういったどうってことのない娯楽作品にさえその影響がみてとれるのは興味深い。まあ、無理して映画館で鑑賞する必要はないですが。
こんばんは。
>米国がヨーロッパ諸国よりもキリスト教を信仰する人が多い
映画でも、さりげなく信仰がテーマに含まれるものが多いですね。
by hash (2009-02-11 21:19)
hashさん、はじめまして。
最近エントリした「BONES ―骨は語る―」でも
無神論者のブレナン博士と敬虔なクリスチャンであるブース捜査官の
信仰論議が隠しテーマのひとつになっています。
ハリウッドと信仰というのは興味深いテーマで
そのあたりは瀬戸川猛資氏の『夢想の研究』に詳しいんですが
残念ながら品切れ。古本屋で見かけたらゲットしてみてください。
nice!&CMTありがとうございます!
by 地蔵 (2009-02-12 08:11)