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『ウォンテッド』 [movie]

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●上映時間:110分 R-15
●配給:2008米/東宝東和
●スタッフ&キャスト:
[監督]ティムール・ベクマンベトフ
[原作]マーク・ミラー,J・G・ジョーンズ
[出演]ジェームズ・マカボイ,アンジェリーナ・ジョリー,モーガン・フリーマン

■■■
ある程度、映画館で映画をご覧になっている方は本作の予告編をご覧になっているはず。見ているとそこはかとなく伝わってくるのが、ああ、これアンジェリーナ・ジョリーが主演じゃないなってこと。観客への誘導感が見え見えなのだ。

もちろん、そういう予告編が悪いとは言っていない。観客集めに映画配給会社だって必死なわけだし。東宝東和だし。そのあたりの裏を読むのも映画好きとしてのスキルとして必要なのだ。

ちなみに本作の監督は、あのロシアの『マトリックス』と言われた『ナイト・ウォッチ』を監督した人。鑑賞中、ああ、なるほど、確かに演出は似ているなあと思った次第。当方の『ナイトウォッチ』の評価は実はそれほど高くなく(偉そうですまない)、2作目の『デイ・ウォッチ』はスルーしてしまった。なので正直なところ、それほど期待せずに鑑賞に向かったのであった。

などと、のっけからクレームめいたことばかり書き連ねたが、本作は当方にはかなり楽しめたのだった。まず主演のジェームズ・マカヴォイは『ラストキング・オブ・スコットランド』以来の注目している実力派若手俳優で、『ペネロピ』や『つぐない』でも好演している。オーランド・ブルームのような正統派二枚目というわけではないが、今回のハリウッドメジャー映画の出演で株が上がると予感。本作での少し神経質な青年から超人的な能力を発揮する暗殺者へ変貌する演技は充分に評価できると思う。

あと、『デイ・ウォッチ』で少し馬鹿にしていたが、本作の雰囲気にティムール・ベクマンベトフの演出は最適だったのではないか。シカゴの街がまるでロシアの都市のように見え、それが古代からの暗殺組織「フラタニティ」の存在感を際だたせているように思えた。そして、この手のアクション映画にありがちな予定調和に突っ走ることなく、ストーリーに意外性を持たせているところが好きだ。途中から観客の意想外の展開をみせるのがいい。

最近は予告編でおいしいシーンを丸出しにしてしまっているが、本作の印象的なシーンである拳銃の弾道が曲がるシーンは、これまであるようでなかったし(日本人にはコブラがサイコガンのビームを曲げて撃つことで慣れ親しんでいるがw)、あれがもっと極端になっている一連のシークエンスも印象深い。

R-15指定ということで血がドバーだし残酷シーンもあるし、当方的倫理コードに引っかかる場面もあったが、少しばかりひねくれたアクション映画を楽しみたいという人にはお奨めできると思う。


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