『ダークナイト』 [movie]
●上映時間:152分
●配給:2008米/ワーナー
●スタッフ&キャスト:
[監督][脚本]クリストファー・ノーラン
[出演]クリスチャン・ベール,ヒース・レジャー,マイケル・ケイン,アーロン・エッカート,マギー・ギレンホール,ゲイリー・オールドマン,モーガン・フリーマン
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今年は劇場での映画鑑賞の本数が減少傾向にある。読書に忙しいという要因もあるが、「これはどうかなあ」という映画は観なくなったのが主要因だ。大体が観る前からこのくらいのおもしろさだろうと思っていると、ほんとにそのくらいのおもしろさだったりする。それって観ても観なくてもいっしょやん。
だからといって高を括っていると意外におもしろいものを見逃したりするから油断がならない。量を観て質がいいものがあったらいい、という下手な鉄砲も式理論。もちろん、ものすごく期待して鑑賞したらダメダメだった、というのもある。映画鑑賞とはむずかしいものだ。
本作はものすごく期待して鑑賞したら期待以上におもしろかったという稀有な作品。2008年のナンバーワン決定としてもいいかもしれない。期待していた方はもう鑑賞済みだろうし、気になるけどちょっとどうかなあ、という方にはお薦めできる力作だ。
なぜおもしろかったのか、以下に箇条書き。
- アクション映画としてのプロットがしっかりしている。
- 細かい伏線がわりとしっかり回収されている(一部未回収があるかな)。
- アクション映画とバットマンの物語が不離一体のものとなっている。
- アクション映画として単純に楽しめるとともに、物語の奥行きが深い。
- それは、光/闇、善/悪、コスモス/カオスなど二項対立が様々な登場人物たちに関わってきているから。
- その二項対立でキーとなるのは検事の持つコインかな。
- 暗く重いテーマ・世界観の映画で、救いがないということをweb上で読んだりするが、終盤でバットマンが信じたこと、フェリーの乗客が選んだことに一縷の光明が読み取れる。「こんなもの、10分前にこうするべきだったんだ」というのは本作の名シーンのひとつだ。
- バリバリのアメコミの映画化作品にもかかわらず、監督や主要な役者にイギリス人が多いことは不思議(クリスチャン・ベール,マイケル・ケイン,ゲイリー・オールドマン)。
- 当方が言うまでもなく、ヒース・レジャーの演技は鬼気迫るものがありすべての俳優を食っている。
そんなところかな。とにかく当方にとっては文句なしの傑作。興味のある方はぜひご覧あれ。
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