道尾秀介:『ソロモンの犬』(文藝春秋) [book]
5月は結果として道尾秀介月間となった。計5冊を読了。ここ数年では一人の作家の本をここまで読んだのってひさしぶりだ。作品の多くに叙述トリック的な仕掛が施されていて、そういう背負い投げ食らわせられる感が好きなのだ。ちなみに作品のタイトルが猿→犬→ネズミ、ときていて干支シリーズなんだそうである。
さて本書だが、これまで読んだ著者の作品のなかでは一番好き。登場人物たちも、間宮先生をはじめとした強烈なキャラクター造形がおもしろい。でも、よくよく考えるとやっぱり残酷な話ではある。
今回は青春小説としてもおもしろく読めるのでそのあたりはオブラートに包まれたということなんだろう。著者の作品は人にお薦めするにはちょっと、というところがあるのだが、本作はそういう意味では無難かな。
コメント 0