坂木司：『先生と僕』（双葉社）

先生と僕

• 作者: 坂木 司
• 出版社/メーカー: 双葉社
• 発売日: 2007/12
• メディア: 単行本

著者の作品は東京創元社のシリーズ以外の作品はすべて読んでいる。好きなのか、というと別にそういうわけでもないと思っているのだが。読んでいて安心するというか、基本的には登場人物が善人である場合が多く、そういう意味ではファンタジーとして読んでいるのかもしれない。

今回の短編集は、大人びた中学生の家庭教師をすることになった気弱な大学生が主人公。出会ったときのシチュエーション自体がほとんどファンタジー。

著者お得意の日常の何気ない謎を解いていくミステリだが、今作品集はその謎は意外に生々しい。これまでの作品集とちょっと違う雰囲気と感じた。

主人公の二人に言わせる言葉も若干の辛辣さがあり、その辺りは著者の主張として読めるかもしれない。とはいえライトな作品にはちがいなくちょっと時間が空いたときにすらすら読める作品集としてお奨めしておこう。

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